2019/02/27
セキュリティ文化の醸成と意識の高度化 ~2020年に向けて私たちにできること~
米国の大規模イベントでは犬が大活躍します。2013年のボストンマラソン爆弾テロの発生により、米国内で爆発物探知犬の需要が一気に高まりました。2014年のボストンマラソンはテロの翌年ということもあり、開催すら危ぶまれましたが、テロには絶対に屈しないというボストン市民の強い気持ちもあり、例年通り開催されました。前年と大きく違う点は、セキュリティレベルが大幅に上がったということです。爆発物探知犬の数が今までの2倍以上となり、そこら中に犬がいるという状況でした。マンホールの隙間、植木鉢の中、車の下など爆弾を隠しやすいスポットを重点的に犬たちに嗅がせ、爆発物の有無を徹底的に確認しました。安全にレースがスタートできる環境整備に、多くの犬たちが一役買って、ランナーも観客も安心してイベントを楽しむことができました。
テロの翌年の開催でテロがまた起きてしまう、それだけは絶対に避けなければなりません。国の威信をかけたビッグイベント、成功のためには犬のたち存在が不可欠でした。しかし、探知犬は一朝一夕で作り出せるわけではありません。2014年のボストンマラソンの警備を徹底的に行うためには、警察所属の探知犬だけでは足りず、軍からも借りるなどして、なんとか間に合わせたという状況でした。
性能の良い爆発物検知器が登場した今日でも犬の重要性に変わりはありません。しかし、彼らは生き物です。餌を与え、休息を取らせなければなりませんし、訓練するにも時間がかかります。検知器のようにスイッチを入れれば1日中集中して働くという状態は保てません。米国の研究機関では昆虫の性質を利用して、または科学的に変性させて爆発物を発見させようという大胆な意見もあるようですが、実現まではまだ遠いでしょう。
レガシーとして
爆発物検知器も探知犬もすでにこの世界に存在し、必要性も認識されています。2020年に日本で開催されるビッグイベントでも同然導入されることと思います。そのイベントに期待したいことがあります。「日本製の爆発物探知機」の登場です。モノ(4)で、液体物検査装置は非常に優れた日本製であると説明しましたが、爆発物検知器のほとんどは外国製です。それらは機能的にも優秀で、日本の空港や港や原子力施設などの重要施設にも導入されていますが、優れた日本製もぜひ登場してほしいですよね。
さて、メイド・イン・ジャパンの爆発物検知器、今後登場する可能性が全くないわけではありません。日本の企業も安全・安心のために研究を重ねていますから、2020年の各イベント会場に設置されるかもしれません。その性能が認められ、その後は世界の様々な場所で導入されていく、そんな爆発物検知器の登場をワクワクしながら待っているのは私だけではないと思います。
(了)
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