■巻頭インタビュー 東京都危機管理監 宮嵜泰樹氏
1分1秒を無駄にしない首都直下地震における都の役割
東京都は昨年8月、大規模災害や事故の際に陣頭指揮を執る危機管理監に、陸上自衛隊第10師団(司令部・名古屋市)前師団長の宮嵜泰樹氏を起用した。外部からの危機管理監の人材登用は初めてとなる。
東日本大震災では現場指揮官として救援活動を行うなど、30年以上に渡り国の危機管理の実務者として携わってきた宮嵜泰樹危機管理監に、首都直下地震に備えた今後の東京都の防災対策について話を聞いた。
■特集1
今求められる危機管理リーダー
巨大災害などの危機を組織が乗り越えられるかどうかは、リーダーの手腕にかかっているといっていい。しかし、その際リーダーに求められる具体的な役割や資質については、これまであまり議論されてこなかった。
一方、視点を変えて「戦争」についてみると、リーダー論は早くから欧米で研究されてきた。プロセイン王国の軍事専門家でもあったクラウゼヴィッツは、ナポレオン・ボナパルトによってもたらされた国民総動員の戦争に衝撃を受け『戦争論』を執筆した。この中で彼は、戦争という危機的な状況においては「危険」「困苦」「不確実」「偶然」という4 つの共通要素が伴い、そのような状況の中で勝利するには、軍事的天才、すなわち優れたリーダーの存在が不可欠になるとした。
その上で、具体的に軍事的天才に求められる資質として、勇気、責務、忍耐力、知性、精神力、果断さ(決断力)を挙げているが、果たして今日の危機を生き抜く上で求められる、優れたリーダーに必要な資質は何か?
◆ローソンの東日本大震災における対応
リーダーは現場のニーズを聞け
ローソン災害対策本部の陣頭指揮を執った元取締役の浅野学氏へのインタビューほか
◆課題、チーム、個人で能力を発揮しろ
ボスではなくリーダーであれ
京都大学防災研究所教授 林春男氏が説くリーダー論
◆リーダーが心得ておくべき2つの問題
ハリケーン・サンディの教訓
これまでに起きてきた問題と、新たに発生した問題では、リーダーの役割は異なる
◆現場の指揮官に学ぶリーダーシップ
現場が考え判断する
HOWではなく、WHATとWHYで指示をしろ
◆平時と緊急時のリーダーの役割
BCMSユーザーグループが緊急提言
◆多様な人材の潜在力を引き出す
リーダーシップの理想像
経営層と管理層が求めるリーダーシップは異なる?
◆読者が選ぶ危機管理リーダーベスト10とワースト10
トップ1位は、歴史上の人物。ワースト1位はやっぱりあの人
◆日本の治安を築き上げてきた危機管理リーダーの提言
なぜ日本はリーダーが育たない
佐々淳行氏への特別インタビュー
◆「危機管理リーダー」を学べる良書・映画
クラウゼヴィッツ 「戦争論」
半藤一利 「日本型リーダーはなぜ失敗するのか」
岩本仁 「国海兵隊に学ぶ最強組織の作り方」
ジョンアデア 「Not Bosses But Leaders」
仲摩徹彌 「危機突破リーダー」
佐々淳行 「国土喪失。」他
ジェームズ・クーゼス 「リーダーシップチャレンジ」
小野善生 「リーダーシップ理論集中講義」
映画 「IKE」
映画 「アポロ13」
映画 「山本五十六」 他
■特集2
巨大津波の備えから地域活性化戦略へ
新たな復興地域モデルを目指す静岡
地震、津波、原発事故と広域複合災害となった東日本大震災を教訓に、各地で地域防災計画の見直しが行われている。東海・東南海地震の3連動地震の脅威にさらされている静岡県では、行政・民間企業・地域住民など多様な主体が協力し、安全で安心な災害に強い県土づくりを強化している。
県内で始まっている防災と地域成長が両立を目指す新たな地域づくりの取り組みについて取材した。
◆防災と地域成長の両立 静岡県
◆鈴与グループ140社の事業継続 鈴与
●シリーズ
訓練革命 第3回 訓練の目的を考える
・停電対策を徹底
川崎陸送株式会社
・淡路地震で見えた訓練の課題
東洋合成工業株式会社
●NEWS
内閣府がBCM連携訓練の手引き発行
新型インフルエンザ対策セミナーを開催
●インタビュー
磯打千雅子氏 地域社会全体の継続を考える
●FOCUS
続・海外進出リスク スズキ暴動事件を振り返る
●特別寄稿
岡本正氏
災害時の個人情報利活用
●シリーズ
サマンサのBCP英語講座
災害から命を守れ 熊丸由布治
海外進出リスク 原 敬徳
みならい君のBCMS構築物語 打川和男
BCMの実力を測ろう 昆 正和
サプライチェーンを含めたBCP 上原 修
業種別BCPのあり方 小山和博
コンプライアンス達成に必要な従業員の法知識 北 周人
BCP担当者が最低知っておきたい労務リスクマネジメント 岡本 裕明
●講演録
帰宅困難者対策セミナー 全講演録
200人満員となったセミナーの講演内容を詳細まで掲載。
東京都の条例を徹底解説!