リスク対策.com vol.30

●特集1
機能する災害対策本部
東日本大震災の教訓を生かせ

災害発生後いかに早く情報を把握し、必要な対策を講じられるか――。
東日本大震災では、この初動でつまずいた組織が多かった。
鍵を握るのは、災害対応の舵を取る災害対策本部だ。

災害対策本部がうまく機能すれば、社内外の情報共有が図れ、必要な
資源を必要な業務に速やかに投入でき、結果、復旧も早くなる。逆に、
機能しなければ、各部門がバラバラに対応することで本当に必要な対
応を見落としたり、あるいは対応の順序を間違え、被害を拡大させる
ことにもなりかねない。

事業継続計画(BCP)においても、災害対策本部は極めて重要な役割を
持つ。BCP では、組織にとって重要な中核事業を絞り込み、その事業の
活動を停止させない、あるいは仮に停止しても一定のレベルまで一定の
期間内に復旧させることを目標に置くが、危機発生時において、被害規
模がどの程度で、現時点で目標とどのくらい乖離しているのかを正しく
認識し、状況に応じた適切な判断を下すのは災害対策本部の役割となる。

・5つの機能で組織を守る
・状況に応じて配置替え  岩手県
・5年かけて機能性を追求 奈良県橿原市
・「閉じ込め事故」の救出 日立ビルシステム
・通信の早期復旧へ  NTT東日本
・100 人体制の対策本部  日産自動車

●フォーカス
事業継続マネジメントの国際規格
ISO22301徹底解説

品質、情報セキュリティと統合運用
ニュートン・コンサルティング

事業継続マネジメントの国際規格として注目されるISO22301 の最終案がこの
ほど発表された。この規格案にいち早く準拠した体制を整え、他のマネジメント
システムと統合運用を開始した会社がある。同社の取り組みと、ISO22301 の
最終規格案の内容を紹介する。

・特別寄稿 
クライシスコミュニケーションの要求を強化
DO(運用)の理解がカギ

●巻頭インタビュー 
この国は、一体誰が守るのか
山田 英雄 元警察庁長官 

●インタビュー
・法律の功罪 
“もっと被害は減らせたはず”
津久井 進 弁護士

・東日本大震災が世界に示した教訓
平賀 暁 マーシュブローカージャパン  

●特別寄稿
被災地域における
リーガルニーズ変遷の真相を読み解く
岡本 正 弁護士

●調査
災害情報によって行動に差
外国人が海外退避した理由

●連載 
東日本大震災における企業の対応
震災時に求められるリーダーシップ
アイリスオーヤマ

●講演録
・サイバー脅威への備え
名和 利男 サイバーディフェンス研究所  

・第1回危機管理交流会
タイ洪水から見た国際協力のあり方

●シリーズ
・サプライチェーンを含めたBCP
調達・サプライチェーンの維持継続が鍵
上原 修

・あなたの組織の内部通報制度は機能するか?
社内調査のツールとしての電子メール解析
中村 勉

・事例から見る組織の法的リスク
従業員の過労死 取締役に損害賠償責任
内田 久美子

・コンプライアンス達成に必要な従業員の法知識
営業部編(2) ~金融商品取引法~
北 周士

・リスクマネジメントの本質
我が国におけるBCP(事業継続計画) の問題点
眞崎 達二朗

●データ
1月、2 月の倒産状況
DRAM 国内1位のエルピーダメモリが倒産