●特集1
東日本大震災を生き抜いた16社の証言
総検証 BCP
被災を乗り越え事業を継続させた企業の実例から学びとることは多い。災害は、見事なまでに、見落とされていた弱点を突いてくる。これまで何度も指摘されながらも、なかなか具体的な対策が進まなかったサプライチェーン対策、予想以上に長引いたライフラインの途絶、さらには津波や原発による複合災害など、災害の規模や影響を予測することの難しさを改めて痛感させられる。
本誌では、3月11 日の東日本大震災においてBCP(事業継続計画)がいかに機能したのか、その実際を取材してきた。津波により壊滅的な被害を受けながらもBCP の発動により約1週間後から業務を再開させた宮城県名取市のオイルプラントナトリ、10 mの津波も想定したBCP をつくり事業を止めることなく継続し続けた仙台市の皆成建設をはじめ、大企業から中小企業まで16 社を誌面で紹介してきた。今号では、これらの企業の証言から見えてきたBCPの実効性を高めるポイントを紹介する。
・情報が社員の命を救った【 情報収集・安否確認】
・計画通りに動く必要はない【 状況判断・対応力】
・復旧には「連携」が不可欠【 組織内外との連携】
・地震だけを目標にしていた企業【 目標の設定】
・何のために事業を継続するのか【 目的の共有】
・震度5弱で止まった企業多数【 防災・減災】
・訓練なくしてBCPは機能せず【 訓練・検証】
・ 問われた事業継続の本質
BCI 日本支部・BSMSユーザーグループ/篠原雅道、上田悦久
・ 立体的フレームで分析を
三菱総合研究所/石井 和
・「まずやってみる」こと
ニュートンコンサルティング/副島一也
●特集2
東日本大震災におけるBCP事例 第4弾
さらなる挑戦
検証、そして改善へ
東日本大震災における対応を検証し、
浮き彫りになった様々な課題を改善する
新たな挑戦が始まっている。
BCP の取り組みに終わりはない。
検証と改善を繰り返し、
目標を少しずつ高めていくことが求められる。
・営業継続が安心をもたらす ローソン
・サプライチェーンを守れ 三菱化学
・調達先被災でも事業継続 トヨックス
・被災翌日に現金供給 日本銀行盛岡事務所
●講演録
被災地は情報発信力を無くす
前内閣危機管理監/野田 健氏
●特集3
急拡大する中国の危機管理市場
中国の危機管理市場が急拡大している。
経済成長に伴い、危機管理に対する政府、
企業、市民の意識が高まったことに加え、
四川大地震、青海省地震など相次ぐ巨大災害に、国を挙げて
防災力を高める動きが市場を牽引(けんいん)する。
重慶市では国家レベルのプロジェクトとして、
先進的な防災・危機管理製品を生産する工場団地が誕生した。
上海では防災をテーマにした展示会に
国内外から180 社が参加するなど盛り上がりを見せた。
・危機管理産業の育成に巨大工業団地
・白熱する上海の展示会
●講演録
ヘリコプターを活用したBCP
●NEWS
英国で新たなクライシスマネジメント規格 PAS200
●連載
・新シリーズ サプライチェーンを含めたBCP
自然災害を取り巻くサプライチェーン事情
上原 修
・あなたの組織の内部通報制度は機能するか?
社内調査におけるヒアリング手法(3)
弁護士/中村 勉
・企業における危機管理と法律
クラウドコンピューティングに関する法的問題点
弁護士/北 周士
・内田久美子弁護士の社内リスク相談
弁護士/内田久美子
・企業を揺るがした危機の真相
リスクファイナンスの重要性について
眞崎達二朗
●特別講演
中国におけるリスク管理の要点
東龍日聯(丹陽)企業管理有限公司総経理/東和男氏
●データ
「円高」関連倒産が今年最多