●特集1
電気、水が止まっても「命」を守れるか?
医療機関のBCP
大地震などの災害で、電気や水が途絶えたり、あるいは施設そのものが被災しても、事業の中断が許されない医療機関。人材・資機材などが不足する中、入院患者の安全確保や、押し寄せる被災者への救急処置など、医療業務を継続するための備えは極めて重要だ。一方で、内閣府が09年7月に発表した「特定分野における事業継続に関する実態調査」の結果では、医療施設におけるBCP(事業継続計画)の策定率はわずか4.8%にとどまり、現実とのギャップを浮き彫りにした。
もちろんBCPの策定率が低いからといって、自然災害への対策が遅れているとは言い切れない。BCPの概念がまだ病院などには浸透していないのだろう。ただし、非常時に重要業務をいかに継続させるかを事前に決めておくBCPの手法は、災害医療にも大いに役立つことは期待できる。医療機関のBCPを取材した。
・災害医療最前線 その時、病院は機能するか
・病院のBCPを支えるサプライチェーン 酸素を止めない
・インタビュー
病院での医療断念も選択肢に 東京都医師会救急委員会石原哲委員長
・電気を止めない 平時にも役立つ仕組み
・優先業務と非常時特有業務 BCPで市民の信頼獲得
・インタビュー
BCPは競争力の源泉になる 東京海上日動リスクコンサルティング柴田慎士研究員
・阪神淡路大震災で医療機関は―― 甲南病院元院長の報告
・災害時、病院の役割
・病院の施設・設備のチェックポイント
●特別寄稿
中小企業のBCP:ステップアップ方式での作成の解説
丸谷浩明 NPO法人事業継続推進機構理事長
建築基準法通りの建物は「震度6強」で倒壊の可能性
北村二郎 株式会社IAU代表取締役社長
●レポート
動き出す中国の巨大市場上海で初の防災・危機管理
●新シリーズ
CCMキャッシュフロー継続マネジメント 眞崎達二朗氏
日常経営から不況、大災害時にまで役立つ新シリーズ
●調査
2009年企業倒産 負債上位50社一覧
●寄稿
リスク対策の普及に取り組む世界の組織
第1回 リスクマネジメント協会62
●イベント報告
BCMコンファレンス2009
・基調トークセッション 実効力への挑戦~自社BCP改善活動に本気で取り組む企業~
・BSIグループジャパン BS25999と世界の最新情報
・SGSジャパン BS25999認証基準を用いたBCMSの評価
●特集2
実効力への挑戦
求められるBCPリストラクチャ
・1000万軒への供給を守る東京ガス
・教科書通りの対策は不要大塚商会
・インタビュー
たった2つの要素で実効力は高められるニュートン・コンサルティング副島一也社長
●PR
・わずか2800円からの防災対策 ミドリ安全
・間違いだらけのマスクの知識 スリーエムヘルスケア