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佐藤 康雄
1952年生まれ。父、息子と親子三代にわたる生粋の消防官。小学校の頃から消防士にあこがれ、1975年東京消防庁に入庁。起震車の製作に始まり、火災予防や救急、防災、人事、研究所と、消防のあらゆる実務経験を持つ。武蔵野消防署長、第一消防方面本部長等を歴任し、2010年より東京消防庁警防部長に就任。2011年3月11日、東日本大震災においては、東京消防庁の全部隊1800隊、1万8000名の職員を統括し、大都市東京および近郊の災害対応にあたった。震災につぐ福島第一原子力発電所の原子炉災害にあたって、東京都緊急消防援助隊の総隊長として精鋭30隊、138名の職員を率いて放水冷却作戦に臨み、炉心融溶の拡大を防いだことは国民の記憶に新しい。石原慎太郎都知事から被災地派遣命令を受け、準備に追われる中、夫人へ「福島原発対応プロジェクトの発足に成功した」とメールを送った。「日本の救世主になってください」と、1行の返信を胸に出立。3月末、消防庁を定年退職。孫から贈られたSafety Life Creatorの称号を胸に、大災害発生の確率が1000年に1度であろうとも、日本の、そして世界の叡智を集め、尊い命を守る防災への手を決して緩めてはならないと、全国展開で安全創作活動を行う。