2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会まであと2年。道路や鉄道の混雑、テロ、サイバー攻撃といったリスクが懸念されています。大会関連組織・施設だけでなく、在京企業すべてにとって警戒すべき問題です。7月24日に「リスク対策.com」が主催した「国際的大規模イベントに向けた企業のリスク対策セミナー」での講演録を中心に、課題と対策を探ります。(写真は建設中の新国立競技場)
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既存マンホールを活用し、テロや自然災害の対策を強化 [PR]
上・下水道や電気、ガス、通信データが行き交う地中の配管ネットワークは、私たちの生活を支える生命線。この細やかなネットワークは、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの2大リスクであるテロと自然災害への対策において重要視していくべきではないかと考えられている。1つはテロリストの侵入経路や爆発物などの設置場所として。もう1つは豪雨で起こる浸水や冠水などによる被害だ。
2018/09/07
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五輪中のホテル不足、周辺エリアで吸収可能
2年後に迫った2020年東京オリンピック・パラリンピック。開催地の懸念材料のひとつが、宿泊施設不足だ。訪日外国人増加をめざす観光政策もあり、国内では大都市圏を中心に宿泊施設の新設計画が着々と進行している。だがオリンピック期間中の3週間余りは東京オリンピック・パラリンピックがすでに関係者向けに4万6000室を確保しており、一時的に供給不足が起こる可能性が高い。みずほ総合研究所では、2020年のホテル需給予測のレポートを定期的に発表し、動向を注視している。調査を担当する同所・主任エコノミストの宮嶋貴之氏に聞いた。
2018/10/05
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五輪で通勤や物流の混雑対策、企業は必須
2020年東京オリンピック・パラリンピックは、選手・関係者の移動で主に選手村から競技会場への移動でバスが調達台数で約2000台、乗用車は約4000台が必要と見込まれている。選手や関係者の移動は自動車、観客は主に鉄道。東京都、内閣官房、大会組織委員会では混雑緩和に向けた取り組みを「2020TDM推進プロジェクト」として民間にも協力を呼びかける。また道路や鉄道の混雑具合の予想として「混雑マップ」の作成も行う。
2018/09/18
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【講演録】国際的大規模イベントのセキュリティ対策
東京2020オリンピックは2020年7月24日に開幕し、33競技339種目で競われます。参加する選手は最大1万1090人。8月25日開幕の東京2020パラリンピックは22競技、540種目で選手数の最大4400人です。 1964年の東京オリンピックと比較すると、種目数は163から339とほぼ倍になっているにも関わらず、全体日程は2日間しか延びていません。東京2020オリンピック・パラリンピックは、規模が大きいだけではなく日程的にかなり過密で複雑なイベントになっています。
2018/09/11
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りんかい線、コミケの経験五輪に生かす
2020年東京オリンピック・パラリンピックの会場が多く置かれる東京都の湾岸エリア。オリンピックは全42競技会場のうち14会場と中央区晴海に選手村、江東区有明の東京ビッグサイトにはメディアセンターが置かれる。このエリアの輸送で大きな役割を担うのが、東京臨海高速鉄道が運営するりんかい線だ。りんかい線は3日間で50万人近い参加者をビッグサイトに集める「コミックマーケット(以下コミケ)」で大人数が一度に集まるイベントの経験を積んでいる。
2018/09/11
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五輪での熱中症をどう防ぐ
東京2020大会で最も懸念されるリスクの1つが熱中症だ。総務省消防庁によると、今年4月30日~9月2日までの熱中症による全国の救急搬送人数は9万2099人で、前年同期(5万1048人)を倍近く上回った。このうち、初診時における死亡者は157人。今年7月には、愛知県豊田市で小学校の校外学習に参加した1年生の男子児童が熱中症で死亡するという事故も発生した。2年後のオリンピックでは、こうした過酷な環境の中、マラソンを筆頭に数多くの競技が行われることになる。サマータイム制の導入もささやかれているが、選手だけでなく、数十万人にのぼる観客や警備員、ボランティアなど大会従事者の対策をどうしたらいいのか。
2018/09/10
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【講演録】「想定外」を乗り越える、多層リスク管理を
企業がリスクマネジメントを考える際、日本では地震・火災・事故・テロ・感染症など、被害の上流にある「原因」まで遡って対策をとることが多くあります。実際、火災が起きたあとの対策を考えるよりも、火事が起きない準備をすることが一番効果が高いのです。
2018/09/10
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【講演録】ソフトターゲット注意、官民一体で対処
東京2020大会の安全対策は、大会関連施設の安全確保だけではなく、ソフトターゲットの警備やテロ発生時の対処能力の向上も忘れてはいけません。2012年のロンドン大会は約220の国と地域で36億人が中継放送を見ました。これだけの注目を集める大会でテロが起これば、世界的なインパクトが大変大きい。もちろんテロの未然防止には万全を期さなければいけませんが、発生もありうると考えるべきでしょう。発生を前提に対処能力を向上させて被害を最小限にとどめ、テロリストの狙った効果を出させないという視点も大事です。
2018/09/07
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【講演録】東京マラソンにおけるリスク対策
2007年から始まった東京マラソンは、これまで1度の中止もなく今年で12回目を数えます。主催は一般財団法人東京マラソン財団、共催は東京都、日本陸上競技連盟(日本陸連)、読売新聞社、日本テレビ放送網、フジテレビジョン、産経新聞社、東京新聞になります。前回の協賛社は30社でした。
2018/09/06
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【特集】東京2020大会のリスク対策
いよいよ2年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック競技大会。世界最大の祭典は、夢や感動、大きな経済効果をもたらすだけでなく、世界中の人々が集まることで、さまざまな危機が発生するリスクも併せ持つ。
2018/09/05
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【講演録】「セキュリティ」と「輸送」を確保するための政府の取組
東京オリンピック・パラリンピックに向けた、セキュリティと交通輸送の政府の取り組みについて説明します。東京大会の「セキュリティ」を確保するためには、幅広い対策を講じる必要があります。大会のセキュリティといえば、まず、テロの警備を思い浮かべる方が多いと思います。競技場だけでなく、人が集まる開催都市の空港や駅、繁華街、選手や観客の多くが利用する首都圏の鉄道や新幹線もテロの標的となる可能性があります。海外では歩道やイベント会場への車両突入テロが増えていますので、その対策も必要です。
2018/09/05