災害リスクを増大させるアンバランスとミスマッチ
首都直下地震の発生確率は今後30 年で70%。いつ起きてもおかしくない。富士山噴火も、南海トラフ地震も同様。そしてひとたび大規模災害が首都を襲えば何が起きるか。東京都が発表した首都直下地震被害想定の被災シナリオには、そのことが詳細に記されている。
混乱を極める救助や避難、長期に渡り停滞する経済、困難化する生活。しかも首都圏には国の中枢機能が集積し、影響は計り知れない。だが、一極集中はとどまるどころかむしろ加速し、潜在リスクは増大へ向かっている。
これを軽減するには自治体、企業、組織、個人が防災力を高めるしかないが、個別対応の限界は否めない。加えてリスク対策.com の独自調査では、世帯年収によって自助・共助の力に大きな差が出ることが分かった。
災害は社会のウィークポイントを突いて顕在化するといわれる。日本の防災は根本的な見直しに迫られている(本特集は「月刊BCPリーダーズvol.29」(2022年8月号)の記事からお届けします)。
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軸受の技術を生かした独立電源で強靱化に貢献
ベアリング大手のNTNは、2016年から自然エネルギー商品事業をスタート。独自技術を生かした高性能の小型風車に太陽光パネルと蓄電池を組み合わせ、グリーン電力の独立電源として商品化しました。ESG投資に対する関心の高まりや政府の国土強靱化政策を追い風に導入実績を伸ばしています。新たな事業領域に挑む同社の取り組みを聞きました。
2022/08/21
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収入にゆとりのある世帯ほど防災が進む
リスク対策.comは、会社に勤務する従業員が家庭でどの程度防災に取り組んでいるかを把握するため、インターネットによるアンケート調査を実施。その結果、世帯収入によって備蓄や転倒防止などの備えとともに、地域防災活動への取り組みにも大きな差があることが分かりました。前回に続き、調査結果を報告します。
2022/08/07
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部分最適の追求が招いた災害リスク極大化
膨大な帰宅困難者、エレベーターの閉じ込め、救助活動の混乱、行き場のない避難者と災害関連死――。首都直下地震の被災シナリオから見えてくるのは、ひとえに集中のリスクです。根本的な解決には分散が必要ですが、一極集中はいまなおとどまるところを知りません。なぜ分散は進まないのか。山梨大学大学院総合研究部の秦康範准教授に聞きました。
2022/08/03