防災格差社会

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防災格差社会

災害リスクを増大させるアンバランスとミスマッチ

首都直下地震の発生確率は今後30 年で70%。いつ起きてもおかしくない。富士山噴火も、南海トラフ地震も同様。そしてひとたび大規模災害が首都を襲えば何が起きるか。東京都が発表した首都直下地震被害想定の被災シナリオには、そのことが詳細に記されている。

 

混乱を極める救助や避難、長期に渡り停滞する経済、困難化する生活。しかも首都圏には国の中枢機能が集積し、影響は計り知れない。だが、一極集中はとどまるどころかむしろ加速し、潜在リスクは増大へ向かっている。

 

これを軽減するには自治体、企業、組織、個人が防災力を高めるしかないが、個別対応の限界は否めない。加えてリスク対策.com の独自調査では、世帯年収によって自助・共助の力に大きな差が出ることが分かった。

 

災害は社会のウィークポイントを突いて顕在化するといわれる。日本の防災は根本的な見直しに迫られている(本特集は「月刊BCPリーダーズvol.29」(2022年8月号)の記事からお届けします)。