いま目の前にある 富士山噴火という危機
今年3月、富士山の噴火を想定した新しい避難計画の中間報告が公表された。富士山噴火のハザードマップが昨年、17年ぶりに改定されたことを受けたもの。山梨・静岡・神奈川の3県と国・関係機関などでつくる富士山火山防災対策協議会が見直しを進めてきた。
新しい避難計画では、これまで5段階だった避難対象エリアを6段階に設定し、対象人口を3県27市町村で80万5600人と推計。このうち火砕流や大きな噴石、融雪型火山泥流が及び、溶岩流が3時間以内に到達する可能性がある地域の人口をこれまでの7倍、山梨・静岡の10市町村で11万6000人と推計した。
最後の噴火から300年以上の沈黙を続ける富士山。もし前回の宝永噴火と同じ規模で噴火したら、降灰の影響も甚大だ。風向きによっては東京を直撃し、経済社会に甚大な影響をもたらす。交通・物流網、ライフラインが長期にわたって停止し、首都機能がマヒする可能性も考えなければならない。
富士山はいつ噴火するのか、そのとき何が起きるのか、企業はどう備えればよいのか。山梨県富士山科学研究所所長、東京大学名誉教授でハザードマップや避難計画の検討委員長も務める藤井敏嗣氏に解説いただくとともに、企業の取り組み状況を調査・取材した。
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最後に駆け込める場所をまちの至るところに
建築・不動産の小野田産業は地震や津波、洪水、噴火などの自然災害から命を守る防災シェルターを開発、普及に向けて取り組んでいます。軽くて水に浮くという特色から、特に津波避難用での引き合いが増加中。噴火用途についても、今夏には噴石に対する要求基準をクリアする考えです。小野田良作社長に開発の経緯と思いを聞きました。
2022/05/18
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企業が富士山噴火に備えなければならない理由
もし富士山が前回の宝永噴火と同じ規模で噴火したら、何が起きるのか? 溶岩や噴石はどこまで及び、降灰は首都圏にどのような影響を及ぼすのか? また、南海トラフ地震との連動はあるのか? 山梨県富士山科学研究所所長、東京大学名誉教授で、ハザードマップや避難計画の検討委員長も務める藤井敏嗣氏に解説いただいた。
2022/05/11