自転車の後部に乗った子どもが電柱などに接触して骨折する事故が相次いでいるとして、国民生活センターが注意を呼び掛けている。スポークに足が巻き込まれる事故や転倒事故も発生。自転車は保育施設への送迎など日常的に使われることから、同センターは「危険があることを知って利用してほしい」としている。
 同センターによると、2019~23年度、自転車後部に同乗した子どもの事故は207件報告された。スポークの巻き込みが78件で最も多く、転倒は63件、障害物への接触は37件。接触の場合は重傷になるケースが多く、約半数が骨折だった。接触対象は電柱などの柱が20件で最も多く、次いでガードレールだった。
 昨年11月には、保護者が電動アシスト自転車を運転中、後部座席の4歳女児の右脚がガードレールに接触する事故が発生。女児は太ももを骨折し、3週間入院した。女児は当時、足を台に置かず、ぶらぶらさせていた。22年8月には、曲がり角で後部座席の5歳男児が頭を電柱にぶつけ、4針縫うけがをした。
 自転車後部に乗った子どもは運転している人の背に視界が遮られ、障害物に気付くのが遅くなることが多い。同センターの担当者は「子どもにシートベルトやヘルメットを着けさせ、狭い場所は自転車を押して歩くなど、十分に注意してほしい」と話している。 
〔写真説明〕ダミー人形を使い、自転車の後部座席に乗った子どもの脚が柱に接触する事故を再現した様子(国民生活センター提供)

(ニュース提供元:時事通信社)