6月8日、児童8人が犠牲となった大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の殺傷事件は発生から23年、東京・秋葉原の歩行者天国で17人が無差別に殺傷された事件は発生から16年を迎えた。偶然とはいえ、同じ日に発生した凶悪事件は日本の安全神話を崩壊させた。その後も、東海道新幹線車内殺傷事件(2018年)、京都アニメ放火事件(2019年)、小田急無差別刺傷事件(2021年)、京王線刺傷事件(〃)、北新地大阪クリニック放火事件(〃)と、一般市民を巻き込んだ犯罪は後を絶たない。

池田小学校の殺傷事件は2001年6月8日に発生。当時37歳だった宅間守元死刑囚が刃物を持って校内に侵入し、1年生の男児1人と2年生の女児7人を殺害。児童と教諭計15人が重軽傷を負った。同校では事件を教訓に、教職員による不審者対応訓練などを継続的に実施している。

秋葉原の無差別殺傷事件は2008年6月8日に発生。加藤智大元死刑囚がJR秋葉原駅近くの歩行者天国の交差点にトラックで突入し、通行人をはねた。さらに、ナイフで無差別に刺すなどして7人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。殺人罪などに問われた加藤元死刑囚は15年2月に最高裁で死刑が確定し、22年7月に刑が執行された。事件の背景には周囲への不満や深い孤独感があったとされ、社会を震撼(しんかん)させた。

こうした蛮行を社会全体で未然に防いでいくことが重要なことは言を俟たないが、一方で、事件が発生することを前提に、万が一の事態にどう身の安全を確保するのか、危機管理の教育そのものを見直していく必要があるかもしれない。