自然災害を英語で表現
第5回:2022年1月~2月の災害ニュース

ライアン カミムラ
英国の大学院を卒業後、新建新聞社に入社。リスク対策.comの記者、編集者を経て現在某機械メーカーの海外営業部に勤務。主にコロナ前は海外展示会や海外営業担当、コロナ後はオンラインで英語プレゼンに従事。記者時代の経験を生かし、現在も記事、イラスト、翻訳を兼業。
2022/03/17
危機管理で学ぶ英語
ライアン カミムラ
英国の大学院を卒業後、新建新聞社に入社。リスク対策.comの記者、編集者を経て現在某機械メーカーの海外営業部に勤務。主にコロナ前は海外展示会や海外営業担当、コロナ後はオンラインで英語プレゼンに従事。記者時代の経験を生かし、現在も記事、イラスト、翻訳を兼業。
1月中旬に発生したトンガの海底火山噴火は、世界中に衝撃を与えました。1月末には、アメリカ北東部では猛烈な大寒波で記録的な降雪、交通機関が相次いで運休や欠航、同時期の南半球のブラジルのサンパウロでは大雨による大規模洪水が発生。ヨーロッパでは、北欧やイギリス北部で連日の暴風雨による大規模な停電が起きるなど、2022年も既に世界中で様々な災害が発生しています。1~2月のニュースから、世界の自然災害の英語表現についてみていきましょう。
1. When an underwater volcano erupted in Tonga, it caused a tsunami to flood the archipelago and cut off communication to the islands.
SKY news, 28 January 2022
海底火山の噴火により、トンガ周辺諸島では津波による洪水が発生。また、各島々との連絡網が遮断された。
Archipelagoの語源はイタリア語のArcipelagoで、直訳は「主要な海」=エーゲ海を意味します。エーゲ海周辺の島々から転じて英語では「諸島」となりました。同義語でislandsがありますが、この単語は複数形であることに気を付けましょう。
2. The 1991 eruption of Mount Pinatubo in the Philippines is said to have caused a decline in average temperatures in the northern hemisphere.
Mainichi Japan, February 1, 2022
1991年のフィリピン・ピナツボ山の噴火は北半球の平均気温を低下させたといわれている。
hemisphereは「半球」。 the northern/southern hemisphere(北/南半球)。文中で使う時にはtheが付くことに注意です。 大規模な火山噴火は、これまでにも地球規模で一時的に気候を変える一因となってきました。91年のピナツボ山の噴火は20世紀最大規模の噴火といわれ、それから2年後の日本は記録的な冷夏となりました。その影響で深刻なコメ不足になり、タイ米が輸入されたことを記憶している人も多いのではないでしょうか。
3. Some money services reopen in Tonga, drinking water the priority
The Straits Times, Jan 22, 2022
トンガの金融サービスの一部再開、飲料水が最優先
シンガポールのStraits Times社(新聞)の見出しからの引用です。英字新聞の見出しにはいくつかのルールがあります。第1に時制です。新聞記事の多くは「過去の出来事や事実」ですから、文中では自然と過去形が多くなります。ところが、見出しでは「過去形→現在形」に変化します。ここでも”reopen”と現在形になっていますね。第2に多くの省略があります。この記事の文中では、drinking water was the priorityと書かれており、見出しでは "was"が省略されています。be動詞はよく省略され、特に受動態の際、過去分詞の動詞のみで記載されることが多いのが見出しの特徴です。
危機管理で学ぶ英語の他の記事
おすすめ記事
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方