第2回となる今回は、大阪で実際に本社機能のバックアップ体制を構築されている先進事例として、明治安田生命保険相互会社様の取り組みをご紹介しながら、平時から本社機能バックアップ体制を構築しておく必要性について考えたいと思います。明治安田生命保険相互会社で災害対策をご担当されている総務部の藤山佳希氏と、大阪本部の馬場清聡氏にお話を伺いしました。

<インタビュー>



藤山佳希 氏(総務部 災害対策推進グループ)
馬場清聡 氏(大阪本部 大阪総務グループ) 

 

明治安田生命保険相互会社について
~「一番古くて、21世紀生まれ」の生命保険会社~

――明治安田生命保険会社はどのような企業ですか。

馬場氏:弊社は、「確かな安心を、いつまでも」を経営理念とし、「信頼を得て選ばれ続ける、人に一番やさしい生命保険会社」を目指す、保険業法に基づいて設立された「相互会社」です。

馬場清聡氏
明治安田生命保険相互会社
大阪本部 大阪総務グループ 

弊社の前身である明治生命(1881年、有限明治生命保険会社設立)と安田生命(1880年、共済五百名社設立)は、共に明治初期から激変する時代に対応しつつ、お客さまの安心を守ってきた日本で最も「歴史と伝統」のある生命保険会社であり、その2社が合併して誕生した弊社は、21世紀生まれの「若々しい」生命保険会社でもあります。

本社は東京都千代田区丸の内にあり、国内営業拠点が1,159拠点(2020年4月1日現在)、連結従業員数が4万8385人で、団体保険保有契約高116兆円の国内シェアナンバーワン(ともに2020年3月31日現在)の生命保険会社です。

2014年1月から「Jリーグ」のオフィシャルパートナーとして全国各地で、活力ある地域づくりや子どもの健全育成に貢献する活動を展開しており、その活動を通じて弊社をご存じの方も多いのではないでしょうか。

画像を拡大 (出典:明治安田生命の現況2020 統合報告書4、5ページ 一部抜粋)
 

生命保険会社としての使命と災害発生に備えた対策の強化

――事業継続についてのお考えを教えてください。

藤山氏:新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本だけでなく世界中が不安定な経済情勢となっていますが、生命保険は一般に30年、40年の長期にわたるご契約であり、万一に備えてきたご契約が一時的な経済の停滞などによって途切れることがあってはならないと考えています。

藤山佳希氏
明治安田生命保険相互会社
総務部 災害対策推進グループ 

わが国が近い将来に「人生100年時代」を迎えるといわれるなか、今後、経営環境がどのように変化しても、お客さまに保険金・給付金を確実にお支払いするためには、一般の事業会社に比べて財務の健全性に裏付けられた経営の安定性がとりわけ重要であるとの考えに基づき、保険金・給付金のお支払いをはじめとする基幹業務を着実に遂行していく必要があります。

基幹業務の着実な遂行には、従業員の安全確保が不可欠であり、災害発生時に会社と従業員を守るための防災・減災対策強化に継続的に取り組んでいます。2019年度にはグループ会社を含めた全拠点(約1500)を対象とした地震や水害リスクに関する立地リスク評価を実施し、拠点ごとのリスクを把握・認識をした上で災害発生時に迅速かつ適切に対応できるよう、リスクに応じた避難訓練や対策強化を実施しました。2020年度はテレワークの環境変化を踏まえ、在宅する従業員の安否確認の迅速化や出勤する従業員の帰宅困難時を想定した備蓄品拡充などを実施しました。

こういった防災・減災対策の継続的な強化・徹底を前提とした上で、不測の事態においても基幹業務に迅速・適切に対応できる事業継続態勢の高度化に取り組んでおります。