2020/08/03
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
子供連れに多い二次災害
さらに、最新資料ではこんな統計もあります。

二次災害の事故で多いのは、家族連れグループです。子どもが溺れたり流されたりすれば、一緒に行っている大人は当然助けようとしますよね。その際、親も被災者になってしまうパターンが多いということです。さらにこちらの資料も併せてご覧ください。

救助に行った人が、二次災害となった場合、死亡する確率は73.0%もあるのです。一次災害の死亡率が36.2%とあるので、2倍の致死率です。このリスクをちゃんと認識されていますでしょうか?
ニュースを聞いていると、確かに、子どもを助けて親が助からなかったというパターンが多いことを実感されることと思います。
重要なので、ずばっと言います。家族連れで川遊びに出かけたとします。この中で一番水難事故で命を落とす可能性のある人、それは、他ならぬパパ、あなたです。でも、自分は泳げるから大丈夫と過信していませんか? 過信だけで救助のイロハ、知らないってことはないですか?

飛び込んで助けるとか、泳いで要救助者に近寄るというのは、最もリスクの高い方法です。とっさに飛び込んで助けるのは美談じゃないです。救助者が二次災害に遭った際、死亡率は73%にもなるので、さらに三次災害も引き起こす行為です。上記の図をもとに、救助者も要救助者も両方が助かる可能性の高い、正しい手順を踏んだ救助を美談としてほしいです。
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/14
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/10/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方