2020/06/03
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために
予防が大事
高温多湿の屋外での散歩や運動、室内や車内での留守番は避けましょう。
熱中症を予防するには、次のようなことに注意してください。また、日頃から肥満にならないよう心がけることも大切です。
●家の中で留守番させる場合 犬種や猫の種類によっても個体差がありますが、一般的にペットが快適に過ごせる気温は22度、湿度は60%とされているので、目安として、冷房時の室温25〜26度、湿度50%ぐらいに設定するよう心がけましょう。
室内の風通しに気をつけるほか、留守中はカーテンなどで直射日光による室温上昇を避け、エアコンをドライ(除湿)モードで付けるなどして、室温調整に心がけましょう。
ケージの中に入れる場合は、設置場所に注意しましょう。窓際はエアコンを入れていても高温になり、逆にエアコンの向かいは冷気が直接当たって冷え過ぎとなります。
また、地震などによる停電やエアコンの故障などの万が一に備えて、クールマットや氷水を入れたペットボトルなどを部屋に置いておくと安心です。また、十分な水分補給ができるよう、飲み水の量や入れ物の置き場を増やすなど、心がけましょう。
●車で出かける場合 愛犬と車で出かけた場合は、なるべく車内に置いて留守番させないようにしてあげてください。愛犬を同伴できない場合は、近くの日陰や風通しの良い場所を選んでつないでおくか、誰かがそばについてあげるようにしましょう。また、水分補給も忘れないようにしてください。
●屋外でつないで飼っている場合 外飼いの犬は、つながれた状態の限られた行動範囲の外へ、自分の意志で涼しい所に移動することができず、猛暑にさらされ、温度や湿度の管理ができません。また、小屋があっても気温や湿度が高ければ熱中症にかかるリスクが高いので、可能な限り、ペットにとって快適で安全な温度調節ができる室内で飼養してあげてください。
真夏の高温多湿の環境下でペットを飼養するなど、適切な飼養環境をペットに与えない場合は「ネグレト」に該当し、1年以下の懲役、100万円以下の罰金を課せられることがあります。
・飼育改善指導が必要な例(虐待に該当する可能性、あるいは放置すれば 虐待に該当する可能性があると考えられる例)について
「外飼いで鎖につながれるなど行動が制限され、かつ寒暑風雨雪等の厳しい天候から身を守る場所が確保できない様な状況で飼育されている」
・飼育改善指導が必要な例(虐待に該当する可能性、あるいは放置すれば虐待 に 該当する可能性があると考えられる例) について
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/files/n_07.pdf
※家庭動物等の飼養及び保管に関する基準
第3(3)
「飼養施設の設置に当たっては、適切な日照、通風等の確保を図り、施設内における適切な温度や湿度の維持等適切な飼養環境を確保するとともに、適切な衛生状態の維持に配慮すること」
家庭動物等の飼養及び保管に関する基準
https://www.env.go.jp/hourei/add/r073.pdf
●散歩に連れ出す場合 日中の散歩は控え、早朝か夜の散歩に切り替えましょう。また、なるべく草や土の上を歩かせるようにして、普段より散歩の時間を短くしてあげることも大切です。
●熱中症対策グッズ
ペットの熱中症対策グッズのほとんどは短時間の効果の物が多いため、屋内での飼養環境が冷房などで適切な温度に保っておけば、特に必要ないでしょう。
エアコンの最新モデルであれば、電気代は1時間 2.8〜54.5円(消費電力105〜2020W)、1年間の冷暖房費は3万9,717円(期間消費電力量1471kWh)、熱中症予防のための6〜9月の3カ月にかかる冷房費は、毎月約3,300円X 3カ月で約1万円弱なので、熱中症対策グッズをいろいろと買いそろえるよりは、冷房による温度&湿度調整を適切に行った方がいいかもしれません。
まとめ
犬の熱中症は、日射しの強い暑い日中に起こる病気と思われがちですが、そうとも限りません。先述の通り、動物は呼吸によって唾液を蒸散させ、その気化熱を利用して体温調節を行います。しかし、湿度が高いと唾液が蒸散しにくく、それが難しくなります。そのため朝方や夕方でも、蒸し暑く湿度の高い日は、部屋の中でも熱中症になる可能性があるので、十分に注意してください。
(出典)家庭の獣医学(No.1 犬の熱中症)|福岡市獣医師会
https://fukuoka-shiju.jp/medicine_01.html
最近では、ショッピングモール、パチンコ店、スーパーなどの駐車場に下記のような「ペットと子どもの車内放置禁止」ポスターを見かけるようになりました。
下記は自由にダウンロードしてお使いください。
https://petsaver.jp/PDF/DoNotLeftInaCar.png
#ペットの車内放置や室内放置による熱中症に注意
一般社団法人 日本国際動物救命救急協会
ペットセーバープログラム(ペットの救急法)
https://petsaver.jp
info@petsaver.jp
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