2.予防

水痘の予防は、ワクチンのみです。水痘ワクチンは2014年から定期接種として1歳以上に2回接種することになりました。1回の接種では重症水痘は抑えられるものの、6〜12%の割合で罹患するものがあることから2回接種となりました。2回接種により99%が罹患しなくなるといわれています。1回目の接種後、最低3カ月、通常は6カ月から1年後に2回目のワクチンを接種することになっています。水痘ワクチンは、白血病などに罹患して免疫が抑制された状態となっている患者が水痘に感染し発症した場合に、重篤化もしくは致死的になることを防ぐ目的で開発されたものなので、免疫抑制患者であっても接種してよいといわれています。

免疫不全者が水痘に罹患した可能性がある場合、感染後8日目ごろ(第二次ウイルス血症時)からアシクロビルやバラシクロビなどの抗ウイルス薬を投与すると感染が抑えられるといわれています。また、感染者と接触後72時間以内に水痘ワクチンを接種しても予防効果があるとされています。水痘に対する抗体を多く含むガンマグロブリンの投与も、発症抑制に効果があるとされていますが、日本国内では簡単に手に入りにくいと思われます。

3.感染した場合の対策・治療

水痘に罹患した場合、アシクロビルやバラシクロビルを発症後すみやかに投与することによって、水疱の数とその持続期間、かゆみ(そう痒感)の持続期間、発熱の期間などを短縮し、症状の軽減が得られます。また水疱に対して、かゆみを軽減して細菌の二次感染を防ぐことを目的とした軟膏が処方されて、塗布するのが一般的です。

水痘に罹患した場合、学校保健安全法では全ての発疹が痂皮化するまでは登校ができないことになっています。職場においては、米国疾病管理予防センター(CDC)から、全ての発疹が痂皮化するまで休職、また未感染者が水痘の人と接触した場合も接触後10〜21日は休職をするようにというガイドラインが出されています。