2019/04/04
昆正和のBCP研究室
■西日本豪雨で企業が経験したこと
本連載は、災害の教訓事例そのもの、つまり個々の企業が何を経験しどのような手段で災害を生き延びたかを詳述することが目的ではない。そこでざっくりとではあるが、以下ではいくつかのアンケート結果から見えてくる「教訓につながる事実」のみを述べることにする。
まずは水害である。記憶に新しいところで2018年6月末~7月上旬にかけて西日本中心に発生した平成30年7月豪雨について企業への影響を見てみよう。同年7月20日に大阪商工会議所が発表した「西日本豪雨が企業経営に及ぼす影響に関する緊急調査」では、次のような傾向が見て取れる。
企業の6割あまりが豪雨災害での影響を懸念する中、製造業にもさまざまな影響が出た。「高速道路の通行止めによる商品や製品の配送遅れ」「通勤困難な社員の発生」「会社及びグループ会社の会社が断水等により操業停止」「販売店、仕入先に被害」といったことである。
自社への直接・間接の被害や影響については、「物流網の寸断による仕入、納入、配送への支障」が最多の4割超(41.9%)で、サプライチェーンへの影響が生じていることがわかる。「自社やグループ会社の会社、営業所、倉庫の被災」「自社またはグループ会社の従業員が被災」「仕入先の被災による部品、原材料、商品など調達に支障」はいずれも27.9%であった。
一方、この災害に対する企業の対応としては、「出勤可能な従業員の把握、出社要請」、「出勤不可能な従業員への自宅待機命令」が7割弱(69.2%)で最多、その次が「被災した自社またはグループ会社の被害状況の確認及び復旧」(43.1%)と続いている。
昆正和のBCP研究室の他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/03/31
-
ドンロー主義の顕在化に揺れる世界
アメリカとイスラエルが2月28日、イランへ大規模な軍事作戦を開始。イランは徹底抗戦する構えで、中東全体を巻き込む紛争に発展しました。早期停戦が待たれるも、長期化の可能性も依然濃厚。アメリカ政治に詳しい上智大学教授の前嶋和弘氏に、トランプ政権の思惑と今後の軍事行動に影響を与える要因を聞きました。(インタビューは3月16日)
2026/03/30
-
引き合い急増する「セキュリティソムリエ」
ソフトバンクのグループ企業でIT商社のSB C&Sは2021年から、サイバーセキュリティ市場の多様化に対応するため販売パートナーへの支援活動を展開。商社の情報力・目利き力を生かしてSIerやベンダーの提案力を補強し、その先のユーザー企業へ最適なソリューションを届けています。「セキュリティソムリエ」と銘打った活動のねらいを聞きました。
2026/03/30
-
-
-
-
-
-
-
火事・水害の被災設備に復旧という選択肢
災害復旧専門サービスのベルフォアジャパンは昨年、独自営業による顧客開拓に乗り出しました。これまでは共同出資者の東京海上日動火災保険を窓口としてきましたが、体制変更を機に直接の市場アプローチを開始。BCPの実効性を確保する手段として自社のサービスを訴求する考えです。代表取締役社長の加藤道久氏に今後の市場戦略を聞きました。
2026/03/18







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方