2025/03/31
防災・危機管理ニュース
内閣府が31日公表した南海トラフ巨大地震による被害想定では、被災後1年間の国内の生産・サービスの被害額が製造業を中心に計最大45.4兆円に上ると推計した。国内総生産(GDP)を8.3%押し下げる計算。内閣府は生産力の減少だけでなく、経営体力の弱い企業の倒産や調達先の海外への切り替えで日本の国際競争力の「不可逆的な低下を招く可能性がある」との見方を示した。
内閣府は、南海トラフ地震で甚大な被害が想定される地域に「自動車、電子・電気機器などの製造業が集積している」と指摘した。
工場や従業員らの被災に加え、東海道・山陽新幹線や各地の港湾など「人流・物流の大動脈」が寸断されると説明。燃料・素材・部品の調達が滞り全国の生産活動が影響を受けるほか、食料品など生活必需品の価格高騰が生じ、買い控えや外国人観光客の日本離れで商業や観光関連業も打撃を受けると分析した。
こうした被害のうち、定量化できる一部の被害額を算出した結果、国内の生産・サービス活動が1年間で最大45.4兆円減少。業種別では自動車を含む製造業が20.5兆円、卸売・小売業が7.1兆円、飲食などサービス業が4.8兆円の被害を受けると推計する。これとは別に、交通寸断による影響額は、道路や鉄道の機能停止が半年、港湾の機能停止が1年間続いた場合に計21.9兆円に及ぶとみている。
〔写真説明〕2016年4月の熊本地震で被災したソニーの半導体工場のクリーンルーム=熊本県菊陽町の熊本テクノロジーセンター(ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング提供)
(ニュース提供元:時事通信社)

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