CFPマーク(SuMPO)

CFP (Carbon Footprint of Products) は、商品の一生(原材料調達から廃棄・リサイクルまで)に排出されるCO2量を商品に表示して、「見える化」するしくみです。CFPマークの「見える化」は、事業者と消費者の間で「気づき」を共有するためのツールであり、究極的には、地球温暖化の原因であるCO2を減少させる1つの手段として設定され、脱炭素社会の実現に貢献すると期待されています。第8回第9回に引き続き、CFPマークの付与手順と算出・表示方法、さらにCFP宣言認定製品の現状を中心に解説いたします。

(1)CFPマークの付与手順

CFPプログラムにおけるCFPマークの付与手順は、図表1のとおりです。

第1段階と第2段階では、PCR (Product Category Rule) の有無によって、手順が異なります。

まず、第1段階としては、PCRが(無の場合)は、①から④の順で進みます。すなわち、PCR(またはPCR認定とCFP検証の同時)認定の申請の手続が必要となり、CFP製品種別基準「CFP-PCRの認定」を希望する事業者は、①策定した「CFP-PCRの原案」と②認定申請書をプログラム事務局に提出します。

この原案は、ウェブサイトでの意見公募による意見を参考に修正した後、レビューパネルにて確認を受けて合否判定が行われ、「CFP-PCR」としてウェブサイトで公開されます。  

レビューパネルとは、プログラム事務局が、「CFP算定結果・宣言の案にかかる検証」に関する確認・最終判定を付託するために設置し、プログラム運営者から審査依頼を受けて③審査し、結果を判定し報告するものです。

具体的には、PCR認定とCFP検証結果の確認、合否判定、原単位(2次データ)の検証基準管理、データ検証結果確認後、④合否判定・認定を実施します。

また、PCRが(有の場合)は、直ちに[B]「システム認証方式」へ進みます。

次に、第2段階としては、PCRが(無の場合)では、[A]個品別検証方式においては、⑤CFP個別検証申請、⑥検証員による検証を受けてレビューパネルでの確認後に、⑦合格の最終判定および認証が行われます。

PCRが(有の場合)は、[B]システム認証方式においては、自社内にCFPシステムを構築し、自らCFP検証を実施できるので、計画的かつ迅速な手続ができるという特徴があります。  

(a)PCRシステム認証審査申請に当たっては、次のような4項目の申請条件を満たすことが必要であります。

①1品目以上の個品別検証経験がある。
②システム(要員、文書、マネジメントレビューを含む運営実績)要求事項を満足するCFP算定システムが構築済である。
③要員(CFP管理責任者、内部検証員、内部監査員)が確保されている。
④1品目以上当該システムを利用し、内部検証が実施されている。

また、「システム認証方式」の手順は、まず、事業者(企業)が、(b)認証審査申請書を認証機関に提出します。現在、認証機関として、次の5機関があります。

①SGS(Societe Generale de Surveillance)ジャパン株式会社         
➁一般財団法人日本ガス機器検査協会
③ 一般財団法人日本品質保証機構

④ ビューローベリタスジャパン株式会社
⑤ ロイドレ・ジスター・クオリティーアシュランス・リミテッド

さらに、「システム認証方式」の認証機関による認証では、書類審査・本審査とサイト審査を実施してから、レビュー結果報告書を作成し、これをプログラム事務局へ提出します。プログラム事務局は、レビューパネルでの確認後に、⑦審査の合否(最終判定および認証)を行います。

最後の第3段階においては、合格すると、3カ月以内に⑧登録・公開申請をプログラム事務局に提出して、⑨CFPマーク使用許諾契約の締結を行います。登録が完了するとCFPマークが付与され、CFPホームページへの掲載と⑩登録情報公開が実施されます。