2024/05/16
防災・危機管理ニュース
【ジャカルタ時事】インドネシア・スラウェシ島の北方にあるルアン山(725メートル)の爆発的な噴火から17日で1カ月。4月30日にも2度目の大規模噴火があり、政府が周辺に住む約300世帯に移住を促すなど、事態は深刻だ。
ルアン山は、インドネシア中央部に位置するスラウェシ島とフィリピンのミンダナオ島の間に浮かぶ火山島・ルアン島にある。火山警報は4月17日の噴火と同30日の再噴火でそれぞれレベルが「3」から最高の「4」に引き上げられるなど、断続的に活発な活動が続く。
隣のタグランダン島も、南西部沿岸はルアン山山頂から4キロほどしか離れておらず、多大な影響を受けている。少なくとも両島の住民6000人以上が、自宅に戻るめども立たないまま島外で避難生活を送る。
一方、この最初の噴火に際しては、日本の気象庁の津波情報がインドネシアの噴火情報より先行したが、実際に津波が日本やインドネシアの沿岸部に到達することはなかった。インドネシアの別の火山の噴火に際しても、気象庁の情報が先行したケースは2022年と23年にも1度ずつあったが、いずれも津波は確認されなかった。
気象庁が積極的に注意を呼び掛ける背景には、22年1月に南太平洋のトンガで海底火山が大噴火し、日本の沿岸に津波が到達した際、津波警報・注意報が遅れたことがある。その後速報態勢を強化していた。
ただ、インドネシアは国土が広い上に常に複数の火山が噴火していることもあり、ジャカルタ在住の日本人からは「気象庁の津波情報が出るたびに日本の友人らが心配してくれるが、困惑している」との声が上がっている。
〔写真説明〕噴火するルアン山=4月30日、インドネシア・スラウェシ島北方(同国国家災害対策庁提供・時事)
〔写真説明〕噴火が続くルアン山=4日、インドネシア・スラウェシ島北方(同国国家災害対策庁提供・時事)
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方