学校にはまだまだ古くて危険なモノがたくさん・・

3時間目は家庭科の時間です。建築のお話は家庭科ですので。

(出典:「東京防災」29ページ)

29ページでは学校で地震発生直後の対応が記載されています。この教室は、そもそも、地震対策として問題があります。でも、これは東京防災のイラストに問題があるというのではありません。

この教室、ガラスは割れるは、テレビは落ちるは、蛍光灯は落ちそうだわと非構造部材といわれる部分が危険なまま放置されていますよね。

学校における非構造材の危険性と耐震化については、文部科学省が2010年から学校施設の非構造部材の耐震化ハンドブックを出して警鐘しています。現在は改訂版の平成27(2015)年版がダウンロードできます。

■学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック (改訂版)
地震による落下物や転倒物から子供たちを守るために(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/03/27/1292090_1.pdf

すでに、7年前から言われ続けているにも関わらず、残念ながら、学校の非構造部材は改善されていない所が少なくありません。

だから、東京防災のイラストは、文部科学省は指導しているのに、学校では徹底されていないという残念な実態を警告するという鋭い告発イラストになっているのです!

まず、蛍光灯から見てみましょう。

出典:文部科学省「学校施設の非構造部材の耐震化ハンドブック」6ページ 


この吊り下げ型の蛍光灯は脱落しやすいのです。ですので、文部科学省のハンドブックでは、ネジをしっかり止めることが記載されています。

出典:文部科学省「学校施設の非構造部材の耐震化ハンドブック」54ページ

でも、ネジ止めの点検の頻度をあげることは、今の学校事務からはかなり難しい事が予想されます。ですので買い替えの際に、より安全な蛍光灯に変更していくということも検討されていればよいのですが、残念ながら、せっかく新しくしたけど、そのままこの形状の前例を踏襲しているケースも多いのです。

買ったばかりの蛍光灯でも前と同じものが漫然と選択されている学校は多い。こちらは都内の小学校の交換後の蛍光灯 ©あんどうりす 


ガラスを使わないものや、より明るい安全な蛍光灯もあるので、変更していけるといいですね!

次はテレビを見てみましょう。いまどき、こんなブラウン管のテレビあるの?というつっこみを私が入れると予想された方もいるかもしれません。でも、残念でした。学校には未だに、ブラウン菅型テレビがあるのです。もっとも安全であるべき、こどもの居場所でもあり、避難所にもなる学校が結構危険なままなのです。そちらにもう少し、お金がまわったらいいのになと思うのですが・・・

(出典:文部科学省「学校施設の非構造部材の耐震化ハンドブック」7ページ)

ブラウン管テレビはまだ学校にあり、東京防災のイラストどおり、地震で落下しています。

(出典:文部科学省「学校施設の非構造部材の耐震化ハンドブック」76ページ)

文部科学省は原状のままでの対策の仕方を書いていますが、子を持つ親としては、まだブラウン管テレビを使ってそしてわざわざ上に吊り下げるのは止めてほしいというのが正直な感想です。

タブレット学習している学校がある一方で、いまだにブラウン管でいいのでしょうか?

予算がある学校では、ブラウン管ではなく、当然、薄型テレビになっています。ただ、このテレビ、画面が大きいものを使用するため、下はキャスターで移動する形になっています。

キャスター固定具というものが必要になる事については、まだ周知されていないように思っていますので、今後、対策がとられるような指導があればと思います。

最後にガラスについては、学校のガラスは枠ごと落下したり、割れたりと、地震のたびに被害が出ています。

(出典:文部科学省「学校施設の非構造部材の耐震化ハンドブック」8ページ)

ガラスの種類別の詳しい内容と対策は文部科学省サイトを参考にしてください。そして、みなさんの避難所となっている学校が本当に安全になっているか忙しい学校まかせにせず、一緒に考えていただければと思います。

ということで、学校の非構造部材の危険性を警告してくれる「東京防災」さすがですね♪

<学び>
学校の非構造部材についてどう対策すべきか考えさせられる


さて、まじめな話もいれつつなので、今回はたった3つしか紹介できませんでした。まだ続きます♪次回もよろしく♪

(了)