2020/05/27
中小企業の防災 これだけはやっておこう
(3)事業インパクト分析~自社事業への影響を確認する
①事業インパクト分析(BIA:Business Impact Analysis)とは何か
大きな地震などにより、従業員の多くが負傷する、また工場が半壊するなどの状況に陥れば、平常時に行っている全ての事業を継続することはできません。そこで、自社事業に優先順位をつけて、優先度の高い事業に、残された経営資源を投入し、それらの事業から早期に復旧させ、継続していくことが重要です。
そこで、事業インパクト分析を行い、事業が中断した際の影響がどのようなもので、それはどのくらいの大きさかを把握します。その結果に基づいて、優先的に復旧させ、継続していくべき事業を選び、その事業をいつまでに、そしてどのように復旧させていくかを検討します。
②事業インパクト分析で重要なこと
事業インパクト分析では、事業が中断した際の影響を確認しますが、そこで重要な点は次の項目です。
・売り上げや利益はどの程度減少するか
・納期が守れないなどの契約違反は発生しないか
・顧客との取り引きは継続できるか
・従業員の雇用は継続できるか
・資金繰りに問題はないか
・法令違反は発生しないか など
また、事業中断による影響の確認に当たっては「売り上げの減少はおよそ1000万円」「納期遅れは1週間程度」のように、できるだけ定量的に考えるとよいでしょう。
【ここがポイント】
BCPの策定は、まず着手することが重要です。そして、そこから少しずつレベルアップを図り、自社の事業継続力を高めていきましょう。
1. BCPの策定は、基本の流れを押さえて進める
2. 自社の被害想定は、社内の各部門と連携して進め、より具体的なものにする
3. 事業インパクト分析はできるだけ定量的に考える
中小企業の防災 これだけはやっておこうの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方