2020/04/17
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
7〜9はまとめてご紹介します。国の通達には、以下のように書かれています。
7. 十分な換気の実施、スペースの確保など
(内閣府 4月7日「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」から)
8. 発熱、せきなどの症状が出た者のための専用のスぺースの確保
・同じ兆候・症状のある人々を同室にすることについては、新型コロナウイルス感染症を想定し た場合には、望ましくない。やむを得ず同室にする場合は、パーティションで区切るなどの工夫をすることが望ましい
・症状が出た者の専用のスペースやトイレは、一般の避難者とはゾーン、動線を分けること
・避難所のスペースの利用方法などについて、事前に関係部局や施設管理者などと調整を図ること
(内閣府 4月7日「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」から)
9. 避難者が新型コロナウイルス感染症を発症した場合
※「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(平成25年8月(平成28年4月改定)内閣府(防災担当))において、「感染症を発症した避難者の専用のスペースないし個室 を確保することが適切であること」と記載しており、また「避難所運営ガイドライン」(平成28年4月 内閣府(防災担当)において「感染症患者が出た時の部屋を確保する」と記載しているが、新型コロナウイルス感染症の場合は、軽症者などであっても原則として一般の避難所に滞在することは適当でないことに留意すること。
(内閣府 4月7日「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」から)
どれも異論がないところですが、これを実現できるようにするには、どのような訓練が必要なのかを考えると、まだまだハードルが高そうです。
避難所へ行く際に「これからは体温計を持っていきましょう」とか「スペースをあけましょう」ということは、分かりやすく実践しやすいことなので注目され、報道でも紹介されます。しかし避難所運営がこれまで以上に破綻してしまうかもしれない危惧については、まだ多くの人に伝わっていないように思います。
避難所や避難場所に行かなくても済む人を増やさなければ、対応できないのではないでしょうか。
ガイドにも、
・警報級の可能性など、かなり早い時期からの避難(数日前からの避難)を予定しておく
・避難先は、COVID-19流行下であることを踏まえて、事前に、その人にとって取りうる 最善と思われる避難先(親族宅、空き家、ホテル、地域の避難先も含めて(COVID-19の流行が進むと、親族や知人宅というのが難しくなる?)を検討・準備しておく
・浸水想定区域に居住し続けることを選択した場合、避難所のキャパシティーから、3階以上(その地域の想定最大の浸水深で決定)の人はそこにとどまり、1週間程度籠城できるようにしておく(食料・水・トイレ・衛生を考えると、備蓄だけでなくて配水が止まらないようにできるなら、そのような準備ができるとよいが……)
(ガイドから)
というマイタイムラインを検討する必要性だけでなく、
→緊急事態宣言が発表されている地域など、外出自粛が強く求められる地域では、もはや転居という選択は難しいかもしれない ・COVID-19による重症化リスクの高い人は、転居あるいは長期の一時退避が望ましいが、 高齢者の場合、環境が変わることによって別のリスクが高くなる。その人の状況・家族・ 支援者との相談によって、方針を考える(水害などの危険が迫った場合の避難のタイミング・方法、避難生活の準備も含めて)
(ガイドから)
と、転居についても考えないといけないことについて記載されています。
今後出水期が始まり、昨年の台風19号と同じ事態が起こり得ることは、想定内のものとして検討しておかないといけません。ご紹介した「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)流行下における水害発生時の防災・災害対策を考えるためのガイド」は、この他さまざまなことが記載されています。かつ、これで確定というものではなく、多様な意見が現在進行形で取り入れられて進化しているものです。
防災関係だけでなく、医療や教育も含め多くの人と協力してワンチームで問題を洗い出して対応していく大切さを感じています。ぜひ、全文ご確認いただき、皆さまと対策を立てていけたらと思っています。
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