4. 避難者の健康状態の確認

・避難者の健康状態の確認について、保健福祉部局と適切な対応を事前に検討の上、「避難所に おける感染対策マニュアル」(※)における症候群サーベイランスの内容も参考として、避難所への到着時に行うことが望ましい 
・また、避難生活開始後も、定期的に健康状態について確認すること

(※) 避難所における感染対策マニュアル 2011年3月24日版
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 「新型インフルエンザ等の院内感染制御に関する研究」研究班(主任研究者 切替照雄)作成 

(内閣府 4月7日「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」から)


これについて、ガイドでも詳しく検討されています。

・体育館型、公民館・集会所型、学校利用型など、これまで想定してきたような避難所(指定避難所になっているような場所)では、クラスター発生が生じやすいことが想定されるため、体調不良者の早期発見のためのモニタリングについて、理解を得、避難者の協力を仰ぐ 
・毎朝夕居住者の体温を記録しておく(発症者発生疑いを早期にキャッチするため)
・毎朝夕運営者・支援者も体温を記録しておく(発症者発生疑いを早期にキャッチするため)
・発症が出たと思われたときの対応フロー(現時点では保健所に連絡?)を明確にしておく
・地域内で医療支援を含めた避難所支援ボランティアを募る(今のうちからその可能性を訴えておく、必要性などを徐々に伝えておく)
・避難所運営で避難者対応をする人は、関わる人ができるだけ限定されるような担当分けを行い、ブロックを超えた接触は避ける
・直接対応の優先度は、治癒者、若者、中年とする。高齢者・基礎疾患のある方には避難者の直接対応はさせない 

(ガイドから)


今まで地域の中心人物として避難所運営に関わってきた方の世代によっては、運営に協力していただくことが危険になってしまうことも考えられます。支援者は外部から入ってこられないのに、地域の人材も生かせない状況はかなり厳しい状況と言えるのではないでしょうか。

5. 手洗い、せきエチケットなどの基本的な対策の徹底

避難者や避難所運営スタッフは、頻繁に手洗いするとともに、せきエチケットなどの基本的な感染対策を徹底すること。

(内閣府 4月7日「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」から)


手洗いの徹底が大切ですが、災害で水道が止まると十分な手洗いができません。手洗い用の水の確保が今まで以上に重要になります。今まで避難所の備蓄であまり重視されていませんでしたが、これからは手洗い用の水のために、浄水器の購入も避難所では検討していく必要が出てくると思います。

衛生管理が重要だが、手洗いの水の確保などの問題がある(写真はイメージ/出典:写真AC)


6. 避難所の衛生環境の確保

物品などは定期的に、および目に見える汚れがあるときに、家庭用洗剤を用いて清掃するなど、 避難所の衛生環境をできる限り整えること。 

(内閣府 4月7日「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」から)


これに関し、ガイドではこんなことも書かれています。

・地震災害の場合、学校ではプールの水をバケツリレーでトイレに使うケースが多いが、簡易なポンプやホース接続を考える 
・感染症によって亡くなったご遺体の安置場所の考え方について整理しておく(感染拡大が生じた場合、COVID-19 による多数の死者が発生することになる。遺体からの感染も報告されているので、その点注意が必要)
 
→医療関係者の見解が必要 
・お棺よりも、遺体袋の活用を考える必要がある

(ガイドから)


バケツリレーで感染拡大の恐れがあることや、お棺は使えず遺体袋を考え安置場所まで考え直さなければいけない事態になっていることを考えると、今まで通りの避難所運営訓練では対応できないことが分かります。