法整備以外の取り組み推進も

家庭動物の救命救急の実現に向けては、法整備だけでなく、それぞれの関係団体で、さまざまな改善努力も必要だ。以下のような項目があると考えられる。

1. 消防側の改善努力項目

① 家庭動物の救出・救助救命救急措置に関するスキルの向上
② 災害発生前、定期的に動物への救急措置に関して訓練するシステムの構築
③ 災害発生時、現場において通信手段を用いて獣医師と連携するシステムの構築
④ 災害発生後、さらに治療の必要な動物を円滑に獣医師に引き渡すシステムの構築
⑤ 災害現場において適切な救急措置ができていることに関する証拠の確保(消防活動レコーダー映像など)システムの構築
⑥ 災害現場で現在行われている消防士による動物の救急措置の実態把握(消防白書にはないが各消防本部のその他、ほ乳類の救助、アニマルレスキューなどである程度は把握できる)

2. 獣医師会側の改善努力項目

① 消防士の災害現場における動物への救急措置と獣医師法の関係について会内の意思統一、会としての公式見解の発出、協定書の締結
② 動物の救急措置に関するマニュアル、手順書などの提供
③ 動物の救急措置に関する教育訓練についての獣医師の関与
④ 災害時に消防士と連携して動物の救急措置を行うシステムの構築

3. その他の改善努力項目

① 環境省、総務省消防庁等関係省庁による「通常災害(火災や交通事故など)と自然災害時における被災動物(犬および猫などの小動物)の救命救急処置に関する在り方検討会」を開催
② 各専門家(環境省、総務省消防庁宇、獣医学、防災、法学)によって構成される協議会の設立
③ ①の協議会による啓発活動、社会への提言、議員会館でのシンポジウムの開催、政府・国会議員へのロビー活動など
④ グレーゾーン解消制度(経済産業省提供)への申請
⑤ 家庭動物の救出救助、救命救急措置のスキルに対する資格認定制度の創設など

 

上記、法的アドバイスについては、法律事務所アイディペンデント 弁護士 南部弘樹先生監修。
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(了)


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