日々訓練に努める消防士も不測の事態が襲うことがある(1月6日の東京消防庁出初式より)

戸建の災害対策 火災編

高圧酸素カプセルの中で熊さんがはっと目覚めた。

「俺は助かったのか?」と考えていると周りのカプセルが掛布団に変わり寝汗をかいてびっしょりだ。「ううう、夢だったのか」と一人ごとを言って隣を見ると奥さんがいびきをかいて寝ていた。

普段はなんてわずらわしいいびきだと常々感じていたが、この時ばかりは愛しいいびきだった。

この夢を教訓に戸建て住宅の災害対策を再考してみましょう。

1.火災の早期覚知
人がいる場所(部屋)で何かが燻るだけで臭いや煙・音・炎は直ぐに覚知できます。人間は大変すばらしい火災感知能力があります。しかし火災が進行するところにはまず人がいません。または、熟睡・泥酔など完全に寝入っている場合も多いのです。火災は早期に覚知発見できれば簡単に消火可能ですし避難の時間も十分にあります。

消防法で住宅用火災警報器(住警器)の新築住宅への設置が2006年6月1日から既存住宅は2008年6月1日から義務化されています。ちょうど今年6月で10年目にあたり取り替え需要が発生します。

先のシミュレーションでもあるように火種が燻り火炎と煙が出るまでに状況によりますが、相当の時間がかかります。その間にCOが不完全燃焼により相当量発生します。この段階で火災の覚知ができればほとんど初期消火レベルで消火可能です。

一般的に販売されている住警器は熱感知器、煙感知器です。布団などの厚みのある可燃物でくすぶり続けて炎・煙が立ち込め警報器が感知するレベルであると一気に拡大延焼します。したがってこれ以前にCOが感知できればかなり早期に初動対応(初期消火・避難)が可能です。

http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2018/08/20180810910201.html(神戸市:煙と一酸化炭素の流動に関する火災実験)

 煙・一酸化炭素流動実験(出典:YouTube)

ほかにもCOを検知して警報が出てから約16分後に煙を検知して警報が鳴ったという実験結果があります(広さ約8畳の室内にて布団燻蒸火災を再現したデータ、新コスモス電機による実験)。16分間のタイムロスは致命傷・逃げ遅れの原因になります。

住警器を新規に設置する、取り換えを検討中の方はCOセンサーの付いた住警器を設置しましょう。もちろん私の自宅には煙・CO住警器を設置してあります。

2.視界(あかり)の確保
ほとんどの皆さんは防災用品としてライトやランタンなどを準備されていることでしょう。

ただし突然の大地震や火災などで瞬時に停電になるとその保管場所まで移動することや電池を入れることなど不可能なほど暗闇になります(特に広域ブラックアウト)。

消防法で義務づけのある非常灯のような設備があれば急な停電でも内蔵のバッテリーで明かりを自動点灯しますが、戸建ではなかなか設備している家は無いでしょう。

充電タイプのハンディライトで通常はコンセントにさしっぱなしにしておいて停電時は自動点灯するタイプの製品があります。私の自宅(3階戸建)にも各階に1個は挿してあります。

充電池にはリチウムイオン電池を使用していますので信頼できる商品を選択しましょう。電池が発火して火事になったらしゃれになりませんので。

https://www.twinbird.jp/products/ls8558.html(自宅にはこの商品を装備してます)