10年ぶり震度5強の経験を生かせ
10月7日夜、千葉県北西部を震源とするマグニチュード(M)5.9の地震が発生し、首都圏の一部では東日本大震災以来10 年ぶりに震度5強を観測。首都直下地震の想定に比べるとはるかに規模は小さいが、それでも水道や交通機関が被害を受け、水漏れやエレベーター停止などのトラブルが多発した。
夜中の強い揺れに、あらためて地震の怖さを実感した人も多いだろう。今回の経験は、企業においても防災体制の再検討や見直しを行う好機だ。避難・初動の手順や備蓄品の点検はもちろん、地盤・建物の特性が揺れの大きさに関係することを認識し、自社施設の立地条件や構造を確認しておきたい。
巨大な人口を抱える首都圏特有の脆弱性も浮き彫りとなった。帰宅困難者に代表されるように、網の目のようなインフラが止まるとたちまち自立生活ができず、かつ容易に二次被害を招きかねない。検証すべき点はさまざまあるが、水道、ガス、医療救護・救助の3つについて、10月7日の地震対応を踏まえながら、現時点の課題と対策を取材した。
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状況に応じ医療資源を最適に振り分ける
10月7日夜に発生した地震では、JR や私鉄の運転再開を待つ人が駅に滞留し帰宅困難者が再びクローズアップされました。しかし、東京都が抱える問題はこれにとどまりません。首都直下地震で想定される15万人の負傷者、9600人の死者への対応です。地震発生時の医療救護・救助の体制を都の福祉保健局医療政策部救急災害医療課と総務局総合防災部防災対策課に聞きました。
2021/12/20
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震動検知と自動遮断が機能しガスの被害ゼロ
10月7日夜に首都圏で起きた最大震度5強の地震で、東京ガスは非常体制を敷き災害対策組織を立ち上げ、主にマイコンメーターによって自動遮断されたガスの復帰対応で終結しました。揺れの検知と被害推定によって迅速にガスを止めるシステムのほか、ガス管の耐震化、液状化発生時の対応など、同社は東日本大震災以降、さまざまな地震対策を強化しています。
2021/12/15
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漏水23カ所を一夜で止めた緊急対応体制
10月7日夜に発生した最大震度5強の地震で、東京23区内では計23カ所の漏水が発生。断水を心配する声もあがりましたが、翌朝6時までに漏水はすべて解消しました。東京都水道局は東日本大震災以降、施設の耐震化や設備更新、点検・維持管理、緊急対応体制はもとより、水道管の2重化やネットワーク化を進めて災害時の給水維持に努めています。
2021/12/13