この大型連休中は、気温が30度近くになる地域もあるようです。こうなってくると心配なのは、水辺の事故です。泳ぐ準備もしていなかったのに、暑いからとその場の勢いで水辺に近づいてしまい水難事故に遭うことが懸念されます。

リスク対策.comの読者の方には、何度もライフジャケットの重要性をお伝えしていますし、最後の方でURLをまとめていますので、「なぜライフジャケットが必須なのか」については、そちらをご確認いただければと思います。

国の資料でも、国際的にも、水辺でライフジャケットを着用することは、揺るぎない当然の前提になっています。

画像を拡大 出典 子どもの事故防止に関する関係府省庁連絡会議(内閣府ほか 令和3年)

 

ライフジャケット着用は、水際5mから

その上で、今回は、ライフジャケットを着用する「地点」についてお伝えしたいと思います。

平成18年の消防庁国民保護・防災部参事官付による「救助技術の高度化等検討委員会報告書」には、「救命胴衣を着用していない隊員は、原則として河川等の水際(河岸等からおおむね5m以内。以下同じ。)での活動は行わない。」との記載があります。

https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento221_32_houkokusyo-h18.pdf

水難救助のプロであっても水際5mからライフジャケットを着用することが原則です。

画像を拡大 出典 公益財団法人 河川財団「No More 水難事故2022(令和4年6月現在 2003-2021年収集データ)」

これを受け、川の事故を調査研究している(公財)河川財団では、水際から3〜5m程度を「ライフジャケットを着用することで落水による危険度を大きく下げることができるエリア」としています。

暑いからと勢いで水辺に近づくのではなく、暑い事が予想される中、水辺に行くなら、ライフジャケットを準備します。そして、さらに、5m手前からライフジャケットをつけることを子どもたちには、伝えていただければと思います。

上図のかっこ書きにもあるように、これらは、「川の状態、柵の有無、水際までのアプローチのしやすさ」によって異なります。それでも、川の状態は、近づいてみないとわかりません。そのため、初めての場所では、5m前からライフジャケットを着用して、確認するという手順が必要になります。

また、大人が子どもに「水辺の5m手前からライフジャケットを着用」と伝えることで、大人自身も川のどの辺りから警戒モードに入るか、また、子どもだけで河川敷で遊ぶということも、なぜ避けなければいけないのか説明しやすくなるのではないでしょうか。