参加者は、会場内に配置されたテーブルに架空の荷主、物流業者、海貨業者、倉庫業、船社、港湾管理者、国の機関の物流担当と、グループごとに分かれ、それぞれが模擬要員となり、対応を協議しながら決めていった。 

各グループには、模擬メディアからの情報に加え、いくつかの追加付与情報も配布される。例えば、荷主には「既存の首都圏の海貨業者と連絡がつかない」「倉庫業者と連絡がつかない」、陸運グループには「荷主と連絡がつかない」「被災した港湾の復旧めどがたたない」など。各グループは、追加情報が配布されると、再度、意思決定に必要な情報や対応策を検討し、決定した対応内容を紙に書き込んでいった。課題となった問題点や課題についても、色分けされた付箋に整理した。 

訓練中は、不足している情報があれば、各テーブルに配置されたメール送信シートに問い合わせ内容や指示事項を記入し模擬関係機関などに問い合わせる、逆に問い合わせがあれば確認できている状況を答えるなど、情報伝達についても検証した。会場にはコントローラーと呼ばれる模擬の関係機関(国、自治体、防災関係機関、交通、ライフライン企業)が配置され、参加者から、交通状況など各組織が対応を行う上で必要な情報を聞かれると、必要に応じて状況を回答した。 訓練後は、各グループが課題や問題点を発表。「日常的に顔を合わせていないと連携ができない」「港湾との協定が必要」「日常からいろんな事態を想定していないと対応できない」などの意見が出された。 

模擬的に荷主になったグループでは「あらかじめ設定した目標復旧時間がクリアできなかった。情報収集とリーダーシップの重要性を痛感した」などと話していた。 北陸地方整備局によると、10月9日には同様の訓練が名古屋会場で開催される。東京との両会場の訓練の結果を検証し、年度内には代替輸送の手引書をまとめたいとしている。