2015/07/10
C+Bousai vol3
地区防災計画モデル地区フォーラム
防災計画は、避難行動に関する3.11の教訓を生かし、その他、防災組織等で構成されている。避難行動のルールの中で、災害時要援護者支援についての議論には多くの時間を割いた。要援護者支援に関わる条件を具体的に例示すると同時に、自助努力で避難した人への支援についても考慮した。
防災計画は、作って終わりではなく、そのルールの有効性を検証することが大切であると考え、安渡地区では町や防災関係機関と連携、合同防災訓練を実施してきた。昨年は3 月2日に、今年は3月8日に実施した。訓練は津波避難訓練、情報伝達などの訓練、特に要援護者の避難支援訓練に注力した。災害時に要援護者は実際にどのように具体的に行動できるかを検証するため、シナリオを作成し、それをもとに訓練を行った。車やリヤカーでの要援護者の搬送、避難を嫌がる老人を説得し、一緒に避難するように促した。訓練終了後は参加者自身が検証し、意見を取りまとめ、防災計画の見直しに反映させるという、いわゆる「PDCA」を発動させた。
最後に、防災計画策定の効果と意義としては、3.11の教訓を次世代に伝える素材となった、防災意識の基盤ができつつあるほか、行政との連携強化などが挙げられる。
今後は地域防災活動の具体化、制度化と浸透は可能であるかどうかを見据え、より実効性のあるものにしていかなければならない。


C+Bousai vol3の他の記事
おすすめ記事
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/24
-
-
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
-
サイバーセキュリティを経営層に響かせよ
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方