「自動ブレーキ」正しく認識を

そして、有名なのが「自動ブレーキ」と呼ばれることも多い衝突被害軽減ブレーキです。ただ日本自動車連盟(JAF)の調査で2人に1人が誤解していると報告されています。本当は「危険を知らせ、衝突の回避または軽減をしてくれる装置」であるのに、「ぶつからないように勝手にブレーキをかけてくれる装置」であると思っている方がいます。

■ASV(先進安全自動車)の紹介(JAFホームページ)
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/asv_cg/enq.htm

国土交通省も、ブレーキが作動しない場合があることについて動画で啓発しています。

【国土交通省】衝突被害軽減ブレーキは万能ではありません!(出典:YouTube)

雨の日や逆光の時、下り坂や滑りやすい路面、歩行者の服の色や歩行者の身長が1メートル以下だと作動しないなど、いつでも衝突被害軽減ブレーキが完璧にブレーキをかけてくれるという技術ではありません。

逆光の場合は、直前まで装置が働いているものの、逆光によってカメラが障害物を見失い、システムが解除されてしまうため衝突してしまうという現象も起こっています。あくまでも人が適切にブレーキをかけることが大前提なので、やっぱり、現状は、みなさん急ブレーキやハンドル操作の練習をどこかでしっかりしていただければと思います。

では、一体どこで急ブレーキやハンドル操作が練習できるのかという事ですが、体験レポートともに、近々報告いたしますね。お楽しみに!

あらためて、クルマは簡単に人の命を奪ってしまう道具でもあると思うのです。交通事故によって亡くなった方々のご冥福をお祈りすると同時に、いまなお事故の後遺症や、意識が回復されていない方もいる事を忘れたくはありません。今回見ていただいたようにクルマはどんどん進化していて、急ブレーキもハンドル操作もしやすくなっています。でも、人の技術が追いついていません。そもそもブレーキを踏めなければせっかくのアシスト機能も作動しないのです。クルマを利用するのであれば、運転の知識や技術を常に更新させていくことが運転者の責務であると今回書きながら思いました。それから、レンタカーを借りる時はESCが付いているか聞いてみようとも思いました。どうかみなさまも安全運転を♪

(取材協力:モータージャーナリスト 安藤 眞)

(了)