なぜかくも炎上は呼び起こされてしまうのか?
特定の発言や行為をめぐりネット上に批判が殺到する「炎上」が増え続けている。というより、日常になりつつある。
炎上が与えるダメージの深刻さは、企業においても同様だ。にもかかわらず炎上はあとを絶たない。不正・不祥事のみならず、広告・CM、マーケティング、人事・採用、労務管理、経営層の発言。日常的な企業活動がその不適切性を問われ、告発され、叩かれる。
なぜかくも炎上は呼び起こされてしまうのか――。
炎上が特異な事象ではなく、現代社会の日常であるならば、リスク対策はまずその姿をつかむことからだろう。2人の専門家とともに、現代社会における炎上の意味を、企業の立ち位置と関連付けながら考えてみた。
※本特集は「月刊BCPリーダーズvol.31(2022年10月号)」の記事からお届けします。
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先鋭化するキャンセル、弱者争い、共感市場
炎上が起きる理由と企業の対応について、ここでは主に現代社会が抱える対立構造とその政治的・思想的背景にスポットをあててみます。炎上という紛争状態を引き起こす時代の構図、そのなかでの企業の立ち位置を『炎上する社会-自粛警察からキャンセルカルチャーまで』(中央公論新社)の著者で、成蹊大学文学部の伊藤昌亮教授とともに考えます。
2022/10/07
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消費者・社員は告発し、第三者は問題を投稿する
不適切なマーケティングや経営層の発言が消費者から投稿されたり社員から告発されたりして、企業がバッシングを受けることが日常化しています。いま起きている「炎上」とは、どのような現象なのでしょうか。『炎上する社会』(弘文堂)の著者で帝京大学文学部の吉野ヒロ子准教授に、ネットの普及によって生じた社会の変化と企業が考えるべきことを聞きました。
2022/10/05