2024/01/22
令和6年能登半島地震
キャンピングカー製造販売のトイファクトリー(岐阜県可児市、藤井昭文社長)は1月10日~11日、能登半島地震で被災した石川県珠洲市にキャンピングカー3台とトレーラー1台を輸送した。日本RV協会が実施する支援活動の一環。会員企業から数十台のキャンピングカーを集めて「RVパーク村」をつくり、全国から応援に来ている自治体職員の宿泊拠点にする。
電源や水まわり、就寝スペースを備え、移動ができるキャンピングカーは、災害時の迅速な立ち上がりに寄与できるとしてさまざまな用途が期待されている。東日本大震災や熊本地震の際も、休憩・宿泊、会議、医療支援などに各所で利用された。同協議会は積極的に防災フェアへ出展するなど、日頃からユーザーの意識向上に努めている。
今回トイファクトリーが送ったキャンピングカーは大人4人が泊まれるタイプ。太陽光発電とサブバッテリーで自立的に電源を確保し、水は1回の給水で13リットルを貯めて使う。暖房は車用FFヒーターを搭載。車体の断熱性を高めているため「わずかなエネルギーで内部をあたためられる」(同社広報部)という。
同社はキャンピングカーの派遣に先立ち、独自の物資支援も実施した。発災直後、顧客から『御社で取りまとめて被災地に送ってほしい』と要望されたのがきっかけ。6日~9日にホームページやSNSで広く協力を呼びかけると、顧客や関係者、周辺住民らが即座に反応。「自分の車いっぱいに物資を積んで駆けつけてくれた方もいた」(同)という。
集まった物資は飲料水を中心にトイレットペーパー、マスク、食品など、10人乗りワゴン車満載で3台分。被災自治体に連絡し、8日に先行隊を送って現地の状況を確認、受入先のマッチングを行い各所のニーズに合わせて物資を選り分けると、11日に被災地に入って七尾市、金沢市、子どもの食事支援組織などに届けた。
同社は「災害に対するお客様の意識の高さを感じた。個人ではできることが限られ、歯がゆい思いをしている方も多くいる。そうした思いを会社として受け止め、被災地に届けられたことはよかった」(同)といい、今後も現地の状況やニーズを見ながらできる支援を行っていく。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方