適切にリスクを取ることが企業経営の本質

会社経営者は、リスクを適切に取ってチャレンジする、という重要な経営判断をするのが仕事です。もちろん、無茶をすることも投資家を裏切ることになるので、避けるべきリスクは避けなければならないのですが、逆に、取るべきリスクまで避けることは、投資家に対する背任であり、会社経営者として失格です。

本当にリスクをゼロにし、完全にリスク回避するのであれば、事業をやめることです。そんなことはできないので、適切にリスクを取ることが企業経営の本質なのです。当該資産や事業を持ち続けるという判断自体がリスクを取っていることを意味します。

会社経営者は、投資家などの出資者から資産を託されていますが、それは単に預かっておくのではなく、増やすために預かっています。投資だから、当然です。「儲ける」ことが、会社経営者の仕事です。

しかも、預かった「会社」が「社会」の除け者になってしまってはいけません。どんな手段でもいいから儲ける、ということであれば、それはヤクザかマフィアです。永続的に存続し、儲けることも期待できません。経営は「適切」でなければなりません。

会社経営者にとって、「適切に」「儲ける」ことが、そのミッションなのです。
そして、「適切に」「儲ける」ためには、チャレンジすることが必要です。チャレンジしなければ、会社は縮んでいくばかりです。チャレンジは、リスクを取るからこそチャレンジですから、会社経営者にとって、リスクを取ることがミッションに含まれるのです。

リスクを取らない会社経営者は、出資者に対する背任であり、経営者として失格なのです。違う言い方をすると、会社経営者は、その能力と責任をかけて、リスクを取る経営判断を行うことが仕事なのです。

リスクの手当ては保険で

リスクを取ることは博打とは異なります。十分な検討と十分な対策を踏まえて決断するから、ビジネスとなるのであって、経営的な合理性を確認せずに行う冒険や博打とは明らかに異質なのです。無謀な冒険や博打は、「適切に」儲けることにあたりません。

リスクを取っても許されるための手当てを行ったうえで、リスクを取ることが、「適切に」儲けることになるのです。

では、どのような手当てが必要なのでしょうか。

それは、リスクを含む経営戦略を、「十分な情報」で「十分検討」することです。このことは、「経営判断の原則」などに見られるように、十分検討したうえでの経営判断であれば、仮に損失が生じても経営者の責任は追及されない、という法的・社会的な理由によります。

会社組織自体が「儲ける」ためのツールであり、それを、「適切に」「儲ける」ためのツールとして位置付け、機能するように形作ることこそが、会社経営者の行うべき「リスク対策」であり、チャレンジであり、責任を果たすことなのです。

そして、リスクを適切に取るためのツールとして、企業保険が活用されるのです。