防護服やマスク、ゴーグル

CBRNテロの多くは、有害な化学物質や細菌・ウイルスを何らかの形で空気中に散布させるケースが多い。有害な化学物質は、肺や皮膚に取り込まれることによって重大な症状が現れ、細菌・ウイルスも口や目、傷口等を通じて体内に取り込まれることで発症する。放射性物質の場合も体内に取り込まれて被曝すると、被害はより深刻になる。

ガムテープとビニールシート

大規模なCBRNテロが発生し、自分の住居で危険が去るまで待機しなければならないような場合は、屋外から有害物質や細菌・ウイルスが屋内に侵入するのを少しでも食い止めるために、ガムテープとビニールシートを活用する方法がある。できるだけ窓やドアの少ない部屋に避難し、ガムテープやビニールシートで窓やドアをすっかり覆ってしまうことで、汚染された空気に接触する危険を減らすこと
ができる。

ハサミと石けん

直接被害に遭遇しなくても、有害物質や細菌・ウイルスに汚染された人や衣服によって、他の人に被害を及ぼすことも起こり得る。被災したら、身に着けている衣服を速やかに処分する必要があるが、脱ぎにくい場合は、ハサミを使用して衣服を切り裂き、露出している皮膚に衣服の汚染された部分を触れさせないことが
重要。その後、石けんを使用して身体を洗うことで皮膚から汚染物質を吸収する可能性を大幅に減少させることができる。

(2)CBRNテロに遭遇したら

直接被害に遭遇している恐れがある場合には、まず有害物質と接触しないように努めることが大切だ。マスク等を持ち合わせていなくても特に口と鼻から有害物質を吸引しないよう、布(Tシャツなど)やティッシュペーパーを重ねて口と鼻を覆い、これを通して呼吸するようにする。また、子供がいたら、不用意に外気を吸い込まないよう手当てをしてやる必要がある。CBRNテロに使用される多くの物質は空気よりも重く、地面に近いところに留まる傾向にあり、そのような物質が使用されたテロ攻撃の場合には、高いところにいればいるほど安全であると言われている。また、できるだけ風上に逃げるということも重要になる。

また、噂や流言に惑わされることのないよう正確な情報収集により事態を把握する。特に現地当局がどのような指示・助言を行っているのか把握することが大切だ。その上で、緊急事態に備えた計画を念頭に、住居で待機するのか、より安全な場所に避難するのかを含め、臨機応変に対応策を考えていくことが求められる。

 以下は外務省Q&Aを参考にまとめたC(化学兵器)、B(生物兵器)、R(放射性物質)、N(核)を用いたテロに対する対応である。

(了)