●特集1
危機管理のISO到来
国際規格で組織は強くなる
危機管理の国際規格が相次いで発行される。
ISO(国際標準化機構)では、TC223(社会セキュリティ)という専門委員会が中心となって昨年 11 月にISO22320(危機管理-危機対応に関する要求事項)を発行した。今年7月~8月には、事故や災害時における企業の事業継続を達成させるための、日常的な事業継続マネジメントのあり方をまとめた ISO22301(事業継続マネジメントシステム)も誕生する。
東日本大震災や昨年7月末のタイの大洪水では、被災した企業だけでなく、直接被災していない企業でもサプライチェーンが途絶し、一部製品の製造が止まるなど世界的な影響を招いた。今後、国内外のサプライチェーンと連携する上で、こうした危機管理に関する国際規格への取り組みが、災害対策に関する共通言語として求められる可能性は十分ある。
日本の組織はどう国際規格に向き合っていけばいいのか?規格誕生の背景から、概要、最新の開発動向までをまとめた。
・10以上の規格が開発中
・すべての規格を解説
・注目は BCMS 規格
・主要海外規格等の比較表
・民間の認証取得は進むか?
・インタビュー 渡辺研司教授
・国際危機管理学会 日本支部設立
研究者と実務者のネットワーク創出
●フォーカス
相次ぐハリケーンから国民を守る
世界が注目するキューバの防災
キューバは、世界で最も多くのハリケーンが襲来する地域の1つとして知られる。しかし、死者の数は驚くほど少ない。国連や赤十字、欧米諸国から注目される理由に迫る。
●特別寄稿
ガイダンスおよびグッドプラクティス
クライシスマネジメント
英国規格協会が新たなクライシスマネジメント(危機管理)の規格「PAS200」を発行した。企業の経営が速やかに対処できるよう、情報収集、意思決定に必要な枠組みや、危機管理を向上させるマネジメント手法などについて示している。
●特集2
東日本大震災における企業の対応
・イオン株式会社
グループ連携で営業再開
・NTT ドコモ
新技術を使った対策へ
・プラネット
さらなる訓練
●インタビュー
・早川正士 電気通信大学名誉教授
数日前に地震を予知
・松井豊 筑波大学教授
従業員のメンタルケア
●BCP 事例
中小企業の BCP 株式会社ロジカル
命と信頼を守る
●特別寄稿
・被災地で役立った情報とその伝達手段
井坂公明
・自治体BCPは情報提供機能の維持・拡充を
岡本 正
●講演録
震災後、強化した首都東京の防災力
醍醐勇司 東京都危機管理監
●シリーズ
リスクマネジメントの本質
リスクコストで見えるアメリカと日本の違い
眞崎達二朗
・コンプライアンス達成に必要な従業員の法知識
営業部編(1)訪問販売
北 周士
・事例から見る組織の法的リスク
オリンパス事件「発生の原因分析」と「再発防止策」
内田久美子
・あなたの組織の内部通報制度は機能するか ?
社内調査におけるヒアリング手法(4)
中村 勉
・BCP 見直しの必須項目と解決策
自社のレジリエンス評価
黄野吉博
・サプライチェーンを含めた BCP
事業を継続せせる計画策定の必要性
上原 修
●データ
2011 年企業倒産状況
「震災」「円高」懸念材料は山積み