2020/11/02
防災・危機管理ニュース

LIXILは、「いつもと同じみんなのトイレ」をコンセプトに開発したINAX災害配慮トイレ「レジリエンストイレ」を販売している。洗浄ハンドルと開閉弁がロッドで連動し、洗浄ハンドルを回すことで作動する「強制開閉弁」を採用し、災害による断水時に1リットルで洗浄可能な状態に切り替えられるようにしたもの。
平常時はトイレブース内に設置し、本設トイレとして水洗式(洗浄水5リットル)で使用。災害時には、平常時と同じ場所で使用し、「強制開閉弁式」で1リットルの洗浄水により汚物を配管に排出できる。洗浄水量の切り替え操作は、タンクのフタを外し、内部の止めリングを外すだけ。1リットル洗浄時は、持ち運んだ水をトイレ鉢内にいれるか、タンクに注水するかの2つの方法から状況によって選択できる。さらに、開閉弁と溜水の二重防臭構造により嫌な臭いを防ぐ。
これらの機能により、少ない水でのトイレ洗浄を可能にすることで、被災者による水確保の負担が軽減される。また、いつものトイレをそのまま快適に使用できるようにすることで、高齢者や、障がいのある人、子どもや女性など、誰でも安心して利用できるトイレ環境を実現する。

なお、断水時の1リットル洗浄では、汚物が排水横主管内に滞留して下水道まで搬送できないため、1時間ごとにバケツ3杯分ほどの水を最上流のトイレ等から流す「手動給水方式」と、汚水をポンプで循環させる「汚水循環方式」の2種類の配管設計を推奨している。設計に関する情報をとりまとめた「レジリエンストイレ配管設計手引き」も提供する。
そのほか、同製品は、便器のフチを丸ごとなくした「フチレス形状」などを採用することで、高い清掃性を備える。フタをタンクに固定する機能も備え、フタを開けてのいたずら防止や地震の際のフタの落下防止にも配慮する。
同製品は、こうした機能性が評価され、「ジャパン・レジリエンス・アワード」(強靭化大賞)最優秀レジリエンス賞、「キッズデザイン賞」優秀賞・経済産業大臣賞、「グッドデザイン賞」グッドフォーカス賞(防災・復興デザイン)を受賞している。

同製品のカラーバリエーションはピュアホワイトとオフホワイト。価格(税抜)は、便器が9万3700円、タンクが8万6300円。

防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com 編集部
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方