2019/10/01
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために
以下、法律事務所アイディペンデント弁護士・南部弘樹先生にペット同伴避難拒否とその法的課題について、アドバイスをいただいたのでご紹介する。
1 問題の所在
2 日本の災害時における動物保護の現状
(1) 法令
(2) 行政の取り組み
(3) 裁判例等
3 検討
(1) 国家賠償法に基づく損害賠償請求の要件
(2) 原則論
(3)諸外国における動向と展望
1 問題の所在
(1)災害時には人だけでなく、動物も被害を受ける。たとえば東日本大震災においては動物の置き去り、大量死が生じた。また動物の同行避難(災害の発生時に、飼い主が飼養しているペットを同行し、指定緊急避難場所等まで避難すること)・同伴避難(被災者が避難所でペットを飼養管理すること)の可否という問題も生じた。
2019年9月の台風第15号による災害でも主として猛暑下の停電を原因とする動物の熱中症、死亡事例が生じた。そして、やはり動物が避難所に入れない事例も報告された。
(2)では避難所に家庭動物を連れて避難したところ、避難所運営者から家庭動物との避難所内での同伴避難を断られた結果、飼い主がやむを得ず車中避難、損傷の激しい自宅への残留、家庭動物の自宅放置などの選択をせざるを得なくなったことで家庭動物が死んだ場合、またはメンタル的に生活に支障が出た場合、避難所を管理している自治体にどのような法的責任が生じ得るだろうか。
(3) 以下、まず日本の災害時における動物保護の現状を概観したうえで、検討を加えることとする。
- keyword
- ペットライフセーバーズ
- 同行避難
- 避難所
- ペット
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるためにの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方