川の事故に泳ぎのうまいへたは全く関係がない。だからライフジャケットが必須

泳ぎがうまいとかへたとか、全く関係がないのです!浮力がないと川では人が浮かぶことができない場所があるということです。

だからこそ、川ではライフジャケットが必須です。加えて、場所によってはライフジャケットの浮力があっても浮かばない場所があることを知っておいてください。

浮力のあるライフジャケットを正しく着用すれば沈まず、楽しく遊べる場所が増える

そんなわけで、海でできたからって川ではできないのです。海の専門家のアドバイスは川では役にたたないのです。海と川を分けて考え、報道してほしいと思っています。

また、日本の川は海外の川と違って、急峻で流れが早いと小学校で習っていますよね。流れが早いと、流れの向きに垂直に面が受ける圧力、動水圧が高くなります。

しかも、流速に対し、2乗で高くなるので、流速が2倍になれば、動水圧は4倍!見た目が早くなれば、面で受ける力はさらに強く、簡単に体の自由を奪います。岩などに人をはりつけてしまう力になるということです。

さらに、川では水が常に動いているため、地形(勾配、川幅、川床、岩など)の変化にともなう流体力学的な様々な水理現象が生じます。

なんていうと、難しいですが、海では「離岸流(りがんりゅう)」という沖に流される危険な流れの方向は決まっていますが、

離岸流とは、海岸の波打ち際から沖合に向かってできる流れのこと。幅10m前後で生じる局所的に強い引き潮。海浜流系の一種。(wikipediaより引用。詳細はコチラ


川では、川下にだけ流されるわけではないのです。

川の水面と川底の流れが違っているところもあります。浮遊物を川底に沈めるダウンフォースと呼ばれる力も発生しています。

なぜか人工物近くが安全と思っている方が多いのですが、人工物付近の水流はとても複雑です。

写真を拡大 公益財団法人河川財団「水辺の安全ハンドブック」P10から転載。 100円+税で川の安全についての必須の情報が満載なのですごくおすすめです!! 川に行くなら一度は目を通してほしい本です。(資料提供:河川財団) 申し込みは同財団HPより http://www.kasen.or.jp/mizube/tabid129.html

堰堤(えんてい)で遊ぶ方も多いですが、下記の図をみてください。ドラム式洗濯機の渦のようなリサーキュレーションと呼ばれる脱出が困難な渦が発生しています。堰堤を含む河川工作物が原因の事故は、水難事故全体の15%にもなっているんです!

写真を拡大 「水辺の安全ハンドブック」P10から転載(資料提供:河川財団)

ライフジャケットを必ず着用したうえで、場所を選ぶ。それが川で遊ぶ常識だと思ってください。

場所の選び方は、河川財団の全国の水難事故マップを必ずチェックしてみてください。事故が同じ場所で起こっているのがよくわかります!

河川財団の「全国の水難事故マップ」。関東地方だけでも真っ赤っか!http://www.kasen.or.jp/mizube/tabid118.html

昔はライフジャケットなんてつけてなかったなんて言わないでくださいね。昔も今も年間50人近くのこどもが亡くなっているのですから。