家具固定理解の大家も

アンケートではさらに、賃貸住宅に求められる防災性能が質問されました。すると、

停電時に電気が使えることや備蓄に加えて、部屋の壁への家具の固定は堂々3位に入っているのです。3位ですよ! 今まで、賃貸だから仕方がないのかもしれないと諦めてきたけれど、でも、それで本当にいいんだろうか? 命を守りたいのに守れない現状に対する不満がここに現れていると思います。

また、災害に対する強さがお部屋選びの決定要因の一つになったかという質問に対し、そう思う、ややそう思う合わせて77.8%ありました。「防災性が高いことで入居の決め手になると思います」という実際に入居された方の声は切実です。

この質問項目は3の質問で「ある・ややある」に回答された方が対象になっています。3の質問というのがこちら。

へーベルメゾンは、一般の建物に比べて災害に強いイメージがあると答えた方が73.2%という結果になっています。これまで災害対策をされてきたので、たとえ、絵的には派手ではなくても<家の使命は住んでいる人の命と暮らしを守ること>だから、必ず実施しなければ、そう担当者の方が強く願い、この防災パッケージが実現したというのも分かります。

今回改めて私がつくづく思ったのは、「防災は本当に地味なんだ!」ということです。「そこ?」って思われそうですが、実はこれは重要なことかもしれないって思います。あたりまえだから地味なんです。でも、そのあたりまえが守られなくなることが災害なのです。

民間賃貸物件で大々的に防災が提案されなかったり、提案されてもあまり報道されないのはこの地味さが原因かもしれません。それだけではなく、大家さんに覚悟も伴います。傷ひとつないのが美しいとされる価値観の中で、家具の転倒防止でできる壁の傷の原状回復を求めないというのは、大家さんにとってハードルが高いですよね。

でもうれしいことに、このコンセプトに共感してくださり、そこに住む人の命と暮らしが守られる賃貸物件を選択される大家さんも増えているのだそうです。地味だけど、あたりまえを守るために取り組もうとする方が着実に増えているのが希望です。