支援を受ける側の「受援力」も大事です。

そのため、支援を受ける側の受援力を高める取り組みもされています。「受援力のすすめ」などスフィアの理念に合致した様々な政策に役立つツールは穂波先生の公式サイトからダウンロードできます。

■「災害時に次世代を守るためのツール」(吉田瑞穂先生 公式サイト)
https://honami-yoshida.jimdo.com/災害時に次世代を守るためのツール/

この受援力のすすめは、こんなことも書かれているんです。

写真を拡大 「受援力のすすめ」(出典:吉田穂波先生「災害時に次世代を守るためのツール」)


背負いこんで我慢や妥協を溜めるとエネルギーを奪われがちです。でも、誰かの役に立ちたいと思っているけど力を発揮できていない人もいます。そんな人にこちらから「助けて」と声を上げることで、マイナスではなくプラスの循環が生まれることが書かれています。ラクをすることに罪悪感は持たなくていいのですね!

さらに、今、話題の自己責任の話もこの中にはあったので、引用します。こんな暖かい言葉で書いてもらえると、様々な問題も穏やかにスムーズに解決していく気になります。

写真を拡大 「受援力のすすめ」(出典:吉田穂波先生「災害時に次世代を守るためのツール」)


その他、ダウンロードできる「あかちゃんとママを守る防災ノート」も作成されて、妊婦さんが心配に思うチェック項目を持ち歩けるものもあります。チェックしてみてくださいね。

写真を拡大 「あかちゃんとママを守る防災ノート」より(出典:内閣府 http://www.bousai.go.jp/kaigirep/kentokai/hinanzyokakuho/wg_situ/pdf/dai3kaisankou4.pdf


さらに穂波先生の実践は続きます。

写真を拡大 (出典:神奈川県立保健福祉大学・吉田穂波先生 講演スライド)

紙の母子健康手帳が災害で紛失したり毀損してしまった経緯があるので、それを電子化するだけではなく、平時に健康情報を蓄積しておいて、災害時、支援者が情報を活かして助けに行けるような体制を作ったり、支援者同士がお互いに書き込めるような体制を神奈川県で整えようとされています。

穂波先生の取り組みをみていると、様々なセクターでスフィア基準の理念を反映させ、生きた智恵として活用しようとしていることがわかります。みなさまの様々な活動にスフィアの理念を活かす際の参考になるのではないかなと思いました。