家庭内ルールが危機管理の基本

ディスカッションでは国崎代表がコーディネーターを務めた。国崎代表は自身が編集委員を務めた「東京くらし防災」から特に日常食べ慣れたものを少し多めに買い、消費して補充を繰り返す「日常備蓄」の重要性を紹介。発災時に被災者が多すぎて避難所に入れない可能性があることから「できれば自宅ですごすのが理想」と述べた。また「国崎家の防災マニュアル」と題した、連絡方法や待ち合わせ場所を定めた家庭内ルールを紹介。小池知事も「家族といざという時の対応を決めるのは危機管理のベース。国崎家はモデルケースだ」と評価した。

浅野共同代表は男性が住まいのある地域外に出勤する平日昼間に発災した場合、「地域に残った人は女性が多くなる可能性が高い」と説明。育児や介護を行っている女性も多いことから、地域や避難所において女性のリーダー的役割が重要であることを説明した。

2児の母でもある優木さんは離乳食など子ども用の食料やおむつなどの備蓄の重要性や、だっこひもをすぐに使える場所に置くことなどについて触れ、「おむつや服はすぐに子どもが大きくなってサイズが合わなくなることがある」と注意点を語った。

小池知事はほ乳びんや湯が不要な乳児用液体ミルクについて、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震で活用されたことを紹介。厚生労働省が液体ミルクの基準を決め、国内生産が可能となることから「来年秋には購入可能になるよう後押ししたい」と述べた。都では豪雨被災地の岡山県倉敷市と愛媛県に液体ミルクの支援を行った。

避難所でのプライバシー確保や性犯罪の防止について浅野共同代表は防犯ブザーや目隠しになる大判ストールなどの携帯を呼びかけたが、「大事なのは環境整備。気づいたことについては声をあげ、仲間を作って改善につなげること」と説明。小池知事は「3月に都の避難所運営のガイドラインを改訂した。男女でリーダーを務め、相談しやすい環境づくりをしたい」と述べた。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介