生成AIを使ってオリジナルの「災害モンスター」を創造し、歓声をあげる児童

子どもたちが楽しく防災を学ぶための教材を研究・開発する災害モンスター研究所などは8月7日、千葉県柏市の柏の葉アーバンデザインセンターで、夏休み中の小学生を対象に「災害モンスターカード」を使ったゲームイベントを開催した。

「災害モンスター」は、災害時に発生する事象を擬人化したキャラクター。「強風のとき窓の近くに現れる『ガシャーン』、ガラスの破片を飛ばしてくる!」「地震のとき倒れてくる『グラグラブロック』、絶対近づくな!」など、それぞれに特徴的なフォルムと性質、攻略法がある。それらをデザインしたカードで遊びながら、防災意識を育もうというねらいだ。

当日は柏市内などから、小学3年生~6年生の児童約20人が参加。前方のスクリーンに次々と映し出されるモンスターの名前を瞬時に叫んで誰が一番早いかを競うゲームや、オリジナルの災害モンスターを生成AIでイラストにするワークを行った。「素早く反応したり大声を出したり、危険を想像したり、それ自体が防災訓練になる」と、災害モンスター研究所の石橋健次さんはいう。

生成AIを使ったワークでは、児童一人一人が台風や大雨の際に起きる事象をモンスターになぞらえ、特徴と攻略法を思い思いにシートへ記入。「キッチンに現れる」「爆発する」「逃げる」などのワードをAIにプロンプトして数秒後、スクリーンにキャラクターが登場するたび「怖い!」「かわいい!」「かっこいい!」と歓声をあげていた。

石橋さんは「通常の防災教育で、子どもたちが目を輝かせることはほとんどない。エンタメの力を借りるのはそのため」と指摘。「モンスターというキャラを入り口に、災害を身近に感じてほしい。危険回避の『攻略法』など、ゲームを通じて基礎的な防災力を高めてほしい」と話す。