志波姫保育所・志波姫幼稚園(宮城県栗原市)
軽量で安全設計のアルミシステム塀「アートウォール」は文教施設への採用が増えている

今年6月の大阪北部地震を受け、倒壊のおそれがある“危険な塀”を見直す動きが進むなか、エクステリアメーカーの四国化成工業(香川県丸亀市)には、アルミ製の塀やフェンスに関する問い合わせが急増しているという。人命や緊急車両の通行を大きく左右するだけに、安全を求める声は切実だ。そこで同社は、ブロック塀に代わるものとしてアルミシステム塀「アートウォール」による防災・減災を呼びかけている。

控え壁不要で2.4mまで対応

「アートウォール」は、軽量なアルミの支柱またはフレームとパネルを組み合わせた軽量構造。一般的なコンクリートブロック塀(1平方メートルあたり250kg)の約20分の1(1平方メートルあたり12kg*)程度の重量で、万が一倒壊しても人身事故を最小限にとどめられることと、施工性がよく大地震でも倒壊しにくいのが大きな特徴だ。また、控え壁を必要とせず、高さ2.4mまで対応可能(ブロック塀は控え壁が必要で、最大2.2mまで)なため、学校などの公共施設にも適する。もちろん、敷地境界を区切る、防犯、防音、プライバシーの確保、風雨対策といった塀としての基本機能を備える。

塀を曲線で表現できるうえ、塗り壁やタイル、シートなど仕上げの自由度が高い「seed」と、アルミフレームに化粧材を取り付ける「modern」の2種類あり、好みに応じたデザイン性の高さも特徴だ。

このほか“危険な塀”に代わるアイテムとして、多種多様なアルミフェンスをラインアップ。「視線は遮って通風はほしい」「騒音・音漏れをなくしたい」など求める用途に応じてさまざまな機能をもたせることができ、最大高さ5.4mまで対応可能なタイプもある。

長野市民病院へリポート(長野市)
広範囲に対応する「アルミフェンス」は、目隠し、防音、採光、通風、防風などさまざまな機能を足すことができる

防災・減災の取り組み

同社はこれまでも、過去の地震災害を検証し、防災・減災に資する商品開発を真摯に進めてきた。2009年4月に発売した免震機能間仕切り「免震パーテーション」や、今回の「アートウォール」(2012年4月発売)がその成果だ。「アートウォール」は、一般社団法人文教施設協会の「学校施設優良部品推奨品」、国土交通省の「新技術情報提供システム(NETIS)」の登録を取得している。「今後も“危険な塀”を所有する施設やご家族に向けて、安全啓蒙活動を行っていきたい」とする。

(*)60mm厚のパネル使用時

(了)