アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
地震対策のキモは、何と言っても建造物の耐震化と、家具の固定。でも、家具の固定をしている人は増えてきたとはいえ、まだ3割程度。みなさんは、固定できていますか?
内閣府の防災に関する世論調査によると、家具や家電などの転倒落下防止策ができていない理由の1位、2位は、「やろうと思っているが先延ばしにしてしまうから」「面倒だから」・・・。
ああ・・。これは防災に限らない日々の暮らしにひそむ「あるある」ですね。その気持ちはすごくよくわかります(汗)。
ただ、今回は、10.9%になっている「家具や壁に傷をつけるから」と、3.8%の「部屋の見た目が悪くなるから」に焦点をあてたいと思います。
内閣府の調査では、2項目に分かれていますが、この2つは同じ根源を持つ問題だと思っています。そこに触れることなしに転倒防止の実施率はあがらないのでは?と思います。
その根源とは、賃借人の原状回復義務です。
これを説明する前に、よくある防災の本を見ていただきたいと思います。ここでは、人気の東京防災に登場してもらいます。東京防災によると家具の固定は、「ネジ止めが基本」「最も確実な方法は、壁にL字金具で固定することです」とあります。
ネジ止めですと、効果もあるし、L字金具は1本100円もしません。とてもリーズナブルな転倒防止グッズです。
しかし、各地には条例で、賃借人の原状回復義務が規定されています。東京都ですと、「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例 平成16年3月31日公布 10月1日施行」があります。
これをわかりやすくまとめたものが、東京都都市整備局が作成した「賃貸住宅紛争防止条例&賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」です。(以下、ガイドライン)
このガイドラインに基づき、賃借人が賃貸借契約をする際には、住宅の損耗やキズを復旧する原状回復義務項目を確認して、サインすることが通常です。
具体例もガイドラインに示されています。画鋲やピンの穴程度で下地ボードを変えないのであれば、通常磨耗として、貸主負担です。
でも、くぎ穴、ネジ穴(下地ボードの張替えが必要な程度)は通常磨耗を超えるので、借主負担になります。
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方