【ワシントン、イスタンブール時事】米メディアは、イスラエルが19日、イランに攻撃を行ったと伝えた。イランのメディアによると、中部イスファハンで「不審な物体」に防空システムが作動。軍事施設近くで複数の爆発音が聞こえたが、軍高官は「被害はない」と主張した。イランが13日から行ったドローンや巡航・弾道ミサイルによる対イスラエル大規模攻撃の報復とみられる。
 イスラエルとイランの対立激化で、中東全域を巻き込んだ緊張の悪化が懸念されていた。だが、今回の攻撃は限定的とみられ、双方の応酬が幕引きとなるかが焦点となる。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によれば、イスラエルとイランの複数の当局者はイスファハン近くの空軍基地への攻撃を確認した。ただ、イラン国営メディアは「大規模な攻撃や爆発は報告されていない」としている。イスファハン州のナタンズにはウラン濃縮施設などがあるが、国際原子力機関(IAEA)も「イランの核施設に被害はない」と明らかにした。
 イラン当局者は同紙に対し、小型ドローンが攻撃に使われ、イラン国内から発射された可能性もあると語った。北西部タブリーズでもドローンが撃墜されたという。イスラエルからの公式な反応は出ていない。 
〔写真説明〕19日、イランの首都テヘランで、弾道ミサイルが描かれた看板の前を通る市民(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)