2014/03/25
事例から学ぶ
人口約15万人、茨城県第4の人口を誇るひたちなか市。隣接する日立市とともに製造業が盛んなこの土地で、日立製作所ひたちなか総合病院を中心に、ひたちなか市と保健所、ひたちなか市医師会、ひたちなか薬剤師会、さらに民間の日立オートモーティブシステムズ社が連携して新型インフルエンザパンデミックに対応したBCPを構築し、合同訓練を行った。
「医療のBCP
は単独の病院だけでは絶対に完結できない」と力強く語るのは、ひたちなか総合病院・永井庸次病院長だ。今年1月21日に内閣府と共同で関係機関も参加し、新型インフルエンザ等対策初期対応訓練を実施した。全人口の約25%が罹患し、致死率は0.35%〜2%、従業員の欠勤率は最大40%程度を想定する新型インフルエンザ等対策政府行動計画等に沿いつつ、ひたちなか市内の企業から新型インフルエンザの感染が疑われる患者第1号が見つかるシナリオを独自に追加し訓練を行った。企業の産業医からの連絡を受けた保健所は、ひたちなか総合病院に感染の疑いのある患者の受け入れを要請。ひたちなか総合病院では患者を受け入れ、検体を摂取し保健所に渡すとともに、患者を感染病床に院内搬送した。病院が中心となり参加組織が連携しながら新型インフルエンザの発生に対応する訓練としては、国内最大規模のものとなった。
永井院長は「新型インフルエンザ、大規模災害どちらの場合にも病院では入院患者と緊急搬送患者への対応を優先するため、一般外来を縮小せざるをえない。すると、外来を受け入れる開業医の先生に負担をかけることになる。今は院外処方が基本だから薬剤師の協力も欠かせない」と連携の必要性を強調する。
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