大規模倉庫火災について消防本部の対策強化や消防庁によるガイドライン策定が提言された

消防庁と国土交通省は21日、「埼玉県三芳町火災を踏まえた防火対策及び消火活動のあり方に関する検討会」の第4回会合を開催。2月のアスクル倉庫火災を踏まえた大規模倉庫火災対策などを盛り込んだ報告書のとりまとめを行った。倉庫ごとの警防計画策定といった地域消防本部の対策強化のほか、消防庁による事業者向けガイドライン策定などが対策として明記された。

2月のアスクル倉庫火災では電線のショートのほかコンベヤーや物品が障害となり、2~3階の防火シャッターの約6割が閉まらなかった。このためコンベヤーが防火シャッターの降下を妨げないこと、断路器の設置やアナログ感知器と電線の接続部の耐火テープ使用といったショート対策を講じるよう提言した。

より効率的な消火活動を行うため、消防本部が区域内の大型倉庫ごとに警防計画を策定することが必要とし、万が一の際の進入経路や水利といった情報をまとめるよう明記。大規模倉庫を管轄する消防本部へのアンケートで、倉庫火災に対応する消火活動要領が8割の本部で策定されていないことから、大規模倉庫における消火活動要領の策定も行うべきとした。

また消防庁に対しては大規模倉庫の事業者向けのガイドラインを策定するよう提言。2階での火災発生に備え直接はしごで進入するための進入口や非常階段・エレベーターの整備などを盛り込み、国交省と連携して策定し、事業者に実施を促すよう記載された。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介