大地震は60秒経ってからも揺れが大きくなることから、従来の警報発表を見直す

気象庁は緊急地震速報の警報発表を見直す。これまでは地震検知から60秒で打ち切っていたが、継続して調査し想定される最大限の揺れがわかった時点で終了するやり方に今後変更する。22日、「緊急地震速報評価・改善検討会」の第9回会合を開催。新手法であるPLUM法を導入した後の速報について話し合った。

緊急地震速報について気象庁では、2017年度から従来手法にPLUM法を組み合わせた予測とすることを固めている。PLUM法は予測地点から一定の範囲内の観測点で、最も高く出た震度を予測値とするもの。震源地の推定が必要な従来の手法と違い早く予測値を出せるが、距離減衰が大きい内陸の直下型地震などでは過大な数値が出る可能性がある。そのため距離を予測地点から半径30kmとし、従来手法と組み合わせて予測する。

この日の会議では巨大地震はある程度時間を経過しても揺れの成長は進んでいることから、従来の60秒で警報を打ち切ることをやめ、継続して調べたうえで想定される最大限の揺れがわかった時点で警報を発表し終了する方針が示された。その後に場合によっては津波警報を出す。

2011年の東日本大震災を新たな予測方法により速報を出すシミュレーションを行ったところ、地震検知から150秒後のマグニチュード(M)9.0の地震規模がわかったところで最終報を出し終了となる。津波警報・注意報が発表されたのは検知から205秒後だった。

緊急地震速報は2018年度以降に階級3以上の長周期地震動も合わせて発信する。気象庁では同検討会の技術部会においてPLUM法を導入した新たな予測方法による最終報について議論を進めていく。

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「気象庁、緊急地震速報の予測に新手法」
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http://www.risktaisaku.com/articles/-/2416

(了)