揺れ最大30秒、津波最大20分検知早まる
S-net いよいよ本格運用開始へ
リスク対策.com 編集長/
博士(環境人間学)
中澤 幸介
中澤 幸介
新建新聞社取締役専務、兵庫県立大学客員研究員。平成19年に危機管理とBCPの専門誌リスク対策.comを創刊。数多くのBCPの事例を取材。内閣府プロジェクト「平成25年度事業継続マネジメントを 通じた企業防災力の向上に関する調査・検討業務」アドバイザー、内閣府「平成26年度地区防災計画アドバイ ザリーボード」、内閣府「令和7年度多様な主体との連携による防災教育実践活動支援等業務」防災教育チャレンジプラン実行委員など。著書に「被災しても成長できる危機管理攻めの5アプローチ」、LIFE「命を守る教科書」等がある。
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国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下、防災科研) は14日、都内で第12 回成果発表会を開催し、昨年 4 月に国立研究開発法人としてスタートさせた第 4 期中長期計画の重点的な研究成果などを発表した。この中で、東日本大震災後に整備を進めてきた日本海溝海底地震津波観測網(S-net)について、海域部のシステムの整備が概ね終了し、現在、観測点全点による運用開始を目指し最終段階に入っていることが報告された。
東日本大震災では、地震発生後の早い段階で地震規模、津波波高の正確な推定を行うことができなかった一因として、リアルタイムの海域観測網が十分に配置されていなかったことが指摘された。2011年にスタートしたS-net整備事業は、北海道沖から房総沖までの海底に、海域で発生する地震と津波をリアルタイムで観測するため観測点150カ所を新設し、総延長約5700kmの海底ケーブルで結び、観測データを陸上までリアルタイムで伝送して関係機関に即時流通させ監視や地震調査研究に活用しようとする世界初の試み。
同事業を担当する地震津波火山ネットワークセンターの青井真氏は「今後は(海域で発生する)地震の揺れを緊急地震速報により最大30秒程度早く、(東日本太平洋沖合で発生する)津波についても海底水圧計で直接検知することで最大20分程度早く検知できることが期待されている。この時間は普通の方法では決して稼ぐことのできない時間だ」と語った。また、単に津波の高さや速さだけでなく、遡上高についても、どの辺まで津波が到達するのか、即時にわかりやすく予測できる技術も研究が進められているとした。
南海トラフについては、全域ではないが紀伊半島から四国沖の南海トラフにおいて地震・津波観測監視システムDONET1、DONET2が海洋研究開発機構 によって構築され、昨年の4月に防災科研に移管され一括の運用がされている。
冒頭、林理事長は「昨年から始まった第4期中長期計画で防災科学技術研究所に与えられたミッションは、防災科学技術のイノベーションの中核的機関となること。大学や他の国立研究開発法人、民間研究機関との協働はもちろん、現場で災害対応にあたる人などと一緒にイノベーションを進め、研究開発の成果を最大化させていきたい」と語った。
防災科研では昨年、中長期計画のミッションの達成に向けて、「基盤的研究開発センター」を新たに設置。今回の発表会では、この基盤的研究開発センターでの研究活動が中心に報告された。
(了)
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